ファミリー層や子育て世代にも支持される街に
“住みたい=交通の利便性”となる働き盛りの世代は特に人気がありそうですね。ファミリー層からみた「住みやすさ、暮らしやすさ」という観点からはいかがでしょうか?
(K)
天王寺エリアは四天王寺を中心に神社仏閣が多く、歴史のある街です。子育て世代が“引越ししてでも通わせたい”と考えるような公立学校が多いこともあり、市内でも屈指の文教地区として知られています。以前はいわゆる“大阪の下町”的な街並みも多く残っていますが「あべのハルカス」のオープン以来、暮らす街としてのアメニティもさらに充実してきました。
特に、2015年の天王寺公園エントランスエリア「てんしば」のオープンにともない、飲食店も増加。ベビーカーを押したママたちがおしゃべりをしたり、周辺で働く人たちが食事をしに来たりと、若い人にとっても魅力ある街へと変貌しています
天王寺公園エントランスエリアとなる「てんしば」には、飲食店のほか子供の遊び場(有料)やフットサルコートなどがあり、公園と街の新しい楽しみ方を提案しています。天王寺動物園ゲートエリアとなる「てんしばイーナ」は飲食施設や各種アクティビティ、動物園グッズショップ、イベント広場などがあり、天王寺動物園と「てんしば」を結ぶ場所としてにぎわっている。グッドデザイン賞・金賞を受賞したことでも話題に。
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2019年には同じく天王寺公園内にある天王寺動物園のてんしばゲート横に新エリア「てんしばイーナ」がオープン。未就学児のいる世帯や、将来は子どもを持ちたいと考える新婚カップルにとっても、天王寺駅周辺は魅力的なエリアとなりました。
働き方改革などの社会の動き、それにともなう“住活”事情の変化も後押ししているのでしょうか。
(K)
そうですね。かつては家族で住む場所といえば北摂・阪神間などの郊外の住宅地が人気で、大阪市内はあくまで働く場所でした。
ところが、ここ二十年ほどで、フルタイムで働く女性やアクティブなカップルが増えたことから、市内に住むことを選ぶ人が増えてきたんです。住む人が増えたことでスーパーや生活施設が増え、治安が格段に良くなった。これによって、若い人たちがこの近辺のマンションを住む場所として選ぶようになったというわけです。
並行して分譲マンションが次々と建設されてきたものの、人気エリアだけに常に供給は足りない状況。新築・中古にかかわらず、マンションの価格は上昇し続けています。また、賃貸の家賃も緩やかに上昇しているようです。
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いざ、天王寺で“住活”! 笠松さんに直球質問!
天王寺エリアの立地や環境の良さをふまえて、いざ天王寺で“住活”するとき立ちはだかる悩みを直球で質問しました。関西の住宅事情に詳しい笠原さんならではのリアルな回答は必読です!
【直球質問】その1 「賃貸 or 購入」どちらがベスト?
アンナ世代が気になるのが「賃貸 or 購入」問題。主にマンション住まいがターゲットになると思いますが、実情はいかがでしょうか。
(K)
それぞれの事情によりますので、現場からヒアリングした実情をお伝えしますね。
“都度最適”な暮らしにぴったりの資産性の高さから、購入はアリでしょうか。これは天王寺駅周辺エリアに限った話ではありませんが、「2023年関西圏新築マンション契約者動向調査」(株式会社リクルート調べ)によれば、大阪市内エリアの新築マンションの平均購入価格は5289万円。若い世代にはかなり高額なようにも感じられますが、契約時世帯主年齢のデータを見ると、35歳未満で購入している人が全体の40.5%を占めています。
(K)
今の若い世代は家を買うことに対してポジティブ。その時々のライフステージに合わせて住み替える“都度最適”な暮らしを求める人が多いですから、売りたい時に売りたい価格で売却できる、資産価値を考えて買う人が多いですね。シングル女性でも購入者はここ20年ほど増加傾向にあり、先ほどの調査では購入者全体の10.1%がシングル女性世帯です。
天王寺エリアは交通至便で買い物施設も充実しており、上町台地上にあり地盤が堅牢で水害リスクが低いと評価されていることも評価の高さにつながっているようです。
将来的にマンション購入を検討しているのなら、先を見越すばかりではなく、今のライフスタイルに合った物件を購入し、住み替えるのも一考ですね。ローンの金利の変動など、総合的な判断も必要になりますから、まずは賃貸で住んで気に入ったら購入に踏み切るのもよさそうですね。
【直球質問】その2 「新築 or 中古」買うべきは?
新築物件に注目が集まる一方で、中古物件の価格も上がっています。付加価値を高めたリノベーションが施されている物件も多く、非常に人気が高いと聞きます。
(K)
自分らしい家に住みたい人は、中古物件を購入してリノベーションするのもよいですが、時間と手間がそれなりにかかります。スムーズに引っ越したい!という人は新築やリノベーション済みの物件がいいでしょう。現在は、古くても買い手がつくため、中古物件を事業者が買い取り、リフォームやリノベーションを実施したうえで、事業者が売主となって再度販売する「買取再販」モデルも増えてきており選択肢も豊富です。
もちろん、物件を探すところからリノベーションまで並走してくれる業者もあるので、興味のある人は問い合わせてみるといいでしょう。
【直球質問】その3 「賃貸のメリット、トレンドは?」
「購入」の話が続きましたが、「賃貸」の事情はどうでしょうか。多様性の時代、変化の時代といわれる今、「賃貸」ならではの“縛られない自由さ”は魅力的な側面がありそうです。
(K)
賃貸の在り方も多様化しています。今人気が高いのが、同じ趣味や嗜好をもつ人をターゲットとする、特定のコンセプトを持つ「コンセプト賃貸」。
1LDKの一人暮らし向けの物件の場合、通常キッチンは最低限の設備だけがついていますが、料理好きをターゲットにした物件には、部屋のど真ん中にアイランドキッチンが設置されていたりします。
写真はイメージです
(K)
また、サイクリング好きの人のために自転車を置いたり飾ったりするコーナーが用意されていたり、音楽を嗜む人のために完全防音室や共用ピアノが置かれていたりする物件もあり、立地面で多少不人気な条件でも、大変な人気となっていることも多いです。
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