次回モスクワ訪問にジュエ氏も同行か

一方、正恩氏は初代の金日成主席、2代目の正日氏に続く3代目だが、この後継とみられているのが娘のジュエ氏だという。

13年生まれといわれる同氏は、まだ10歳か11歳だが、北朝鮮にとって重大行事である軍事パレードの閲兵式にも正恩氏と並んで登場し、「女帝誕生か?」との観測が広がっている。

また、朝鮮労働党の内部では「朝鮮の新星」「女将軍」との呼称も使われ、世襲説に拍車がかかっているのだ。

「正恩氏は13年に叔父の張成沢氏を処刑し、17年には異母兄の金正男氏をマレーシアの空港で暗殺するなど、自らの権力支配維持のためには身内にも容赦のない権力者として知られている。プーチン氏は、正恩氏との会談で、こうした独裁王朝の継続手法を学ぼうとしている可能性も否めないのです」(大手紙外信記者)

両国の関係強化は近隣諸国や西側諸国にとって、まさに脅威。その体制が世襲で次世代も続くとなれば、今以上に軍事的脅威が高まることにもなりかねない。

前述の安全保障アナリストが警告する。

「プーチン王朝と金王朝が続くとなると、さらに強権的な国家となるのは確実です。一方、独裁体制が長期化することで不満分子も増えていくため、国家運営が不安定化することも避けられない。政権内部や軍部の反乱、さらには内戦状態になっても不思議ではない。これらの事変に近隣諸国が振り回される可能性も高いのです」

19日の首脳会談では、プーチン氏が「長期にわたる両国関係の基礎となるだろう」とした基本文書を準備。「次はロシアのモスクワで会うことを期待している」と述べ、さらなる両国関係の強化をアピールした。

次回のモスクワ訪問にはジュエ氏も同行し、プーチン氏の2人の娘と面会するかもしれない。