名優ドナルド・サザーランドが死去した。88歳だった。「ハンガー・ゲーム」シリーズのコリオラヌス・スノー大統領役などで知られたドナルドが、長い闘病生活の末に帰らぬ人となったことを、同じく俳優の息子キーファー・サザーランドがTwitter(X)で伝えた。
父親と写った幼少期の写真を投稿したキーファーはこう綴っている。
「私の父ドナルド・サザーランドが亡くなったことを重い心と共にお伝えします。私は個人的に、映画史上最も重要な俳優の1人と考えています。役柄が良くも悪くも、醜いものでも、決して怖気づくことはありませんでした。彼が自らの仕事を愛し、自らが愛することをしたことは、これ以上は望めないものでした。よく生きた人生でした」
1970年作「M★A★S★H マッシュ」で、軍医のホークアイことピアース大尉役を演じてブレイクしたドナルドは、ホラー映画「SF/ボディ・スナッチャー」やコメディ映画「アニマル・ハウス」などに出演して人気を博したほか、高い評価を受けたヒット映画「大列車強盗」(1979年)ではショーン・コネリーと共演した。
90年代には、ケネディ大統領暗殺事件の謎に迫ったオリバー・ストーン監督作「JFK」や、ニューヨークの画商を演じた「私に近い6人の他人」、デミ・ムーアと共演した「ディスクロージャー」といった作品に出演した。
妻フランシーヌ・ラセットやキーファーを含む5人の子供を残して旅立ったドナルドは、キャリアを通し、プライムタイム・エミー賞やゴールデン・グローブ賞など多数の賞を受賞、アカデミー賞にノミネートされなかった最も優れた俳優の1人に数えられている。