連続テレビ小説「虎に翼」の主人公・寅子の持ち歌「モン・パパ」について、7月5日に放送された情報番組「ニュースーン」(NHK総合)で、ドラマでの効果的な使われ方が紹介された。

朝ドラ「虎に翼」の視聴者から、主人公・寅子がときどき劇中で披露する「うちのパパとうちのママとけんかして」という歌が実際にあるかどうかという質問が寄せられ、「虎に翼」の主人公・寅子のモデルとなった三淵嘉子さんを長く取材したNHK解説委員室解説主幹・清水聡氏が「これは本当にあった歌です。『モン・パパ』といいます。昭和のはじめぐらいに、喜劇俳優の榎本健一、エノケンさん。それから二村定一さんが歌ってヒットした曲です。史実の三淵嘉子さんもこの歌、よく歌っていました」と答える。

清水氏によると、三淵さんはよく余興で歌っていたことが関係者の手記などにも残っているそうで「家庭局の面々は優しい人が多く、彼女が、旦那さんを戦争で亡くしていたことを知っていたので彼女がこの歌を歌うと、非常に目頭が熱くなったという回想を残した人もいます。彼女って非常に声がよくて歌がうまくて人気者だったんですよね。『モン・パパ』っていう歌も彼女が歌うと周りの人は聞き惚れていた」と説明。

さらに清水氏は「この歌自体は実はお母さんが強くてお父さんは弱いっていうユーモラスな歌なんですね。だけど今回『虎に翼』ドラマ演出チームの皆さんは、女性がそれとなく差別されるところでこの歌を入れたりして、非常に皮肉がきいていて、とってもうまい使い方をしているなと、私の方が感心しております」と、朝ドラ内での効果的な使われ方を賞賛した。