人気マンガ『ONE PIECE』には、「タトゥー」を彫ったキャラが多数登場します。主人公「ルフィ」のタトゥーは、仲間たちに「シャボンディ諸島」に集合する時期を伝える意味が込められていましたが、他にも意味ありげなタトゥーを彫っているキャラが登場してきました。



パッケージにエースが描かれた『ONE PIECE Log Collection Special“Episode of GRANDLINE”』DVD(エイベックス・ピクチャーズ)

【画像】え…っ? 「どんな模様だっけ?」 これが意味を考察すると感動的な「エースのタトゥー」です(3枚)

エースのタトゥーにまさかの意味が?

 人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』には主人公の「モンキー・D・ルフィ」をはじめ、タトゥーを彫っているキャラクターが多数登場します。おしゃれや「キャラ付け」のためにタトゥーを入れているだけの可能性のケースもありますが、重要な意味のあるタトゥーを入れているキャラもいます。

 594話で明らかになったルフィのタトゥーの模様は「3D(その上に×マーク)2Y」で、当時バラバラになっていた「麦わらの一味」の仲間たちに、「シャボンディ諸島」に3日後(3DAYS)に集合の予定を2年後(2YEARS)に変更(その間にそれぞれが力を付ける)する、というメッセージを伝えるためのものです。

 そのルフィの義兄で、574話で死亡した「ポートガス・D・エース」は、左肩に「ASCE」と自分の名前のタトゥーを入れています。エースのタトゥーは「S」の部分に×印がついていたため、「ACE」のスペルを間違えたのではないかと考えられていました。

 しかし、これはスペル間違いではなかったことが、第596話の扉絵によって判明します。この扉絵では、義兄弟であるエース、ルフィ、サボが、一緒に成長した姿が描かれていました。このときに描かれたエースの左肩のタトゥーは、ちゃんと「ACE」となっているのです。

 作者である尾田栄一郎先生は、2022年8月10日放送の『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ)に出演した際に、この扉絵のエースのタトゥーが違う理由に関して、「世界線が違う」と言及しています。エース、ルフィ、サボの少年時代の過去編では、サボが「ゴア王国」の貴族の立場を捨てて海賊として出航した際に、天竜人の船を横切ったせいで船を砲弾で撃たれ、死亡したかのように描かれました。実際にはその後生き延びていたことが明らかになるのですが、エースとルフィのふたりはサボは死んだものと認識して生きていくことになります。

 587話、588話で描かれたサボの「海賊旗」は、「×のついたS」となっていました。エースは、このサボの海賊旗を自身の左肩に彫っているのでしょう。「海賊旗は信念の象徴」ということをルフィが「ドラム王国」で語っているように、エースはサボが自分とルフィ宛の手紙にも書いていた、「誰よりも自由な海賊になる」という信念を背負って生きていたのかもしれません。

 この考察は定期的に話題になり、ネット上では「エースがいい人すぎて泣ける」「そこまで考えてあるって、やっぱり『ONE PIECE』って深い」など、感動しているファンの意見が多く見られました。



胸に太陽のタトゥーがあるフィッシャー・タイガーが描かれた「ONE PIECE ワンピース 15thシーズン 魚人島編 piece.7」(エイベックス・ピクチャーズ)

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フィッシャー・タイガーのタトゥーは偉大な役割を果たしている?

 ほかには、タトゥーに見えていたものが、後から「焼き印」と分かった例もありました。「奴隷解放の英雄」と呼ばれていた魚人「フィッシャー・タイガー」は「タイヨウの海賊団」の初代船長で、彼やほかの船員たちの身体には、「太陽」のような模様が入っています。

 この太陽はタイヨウの海賊団のシンボルですが、もともと「天竜人」の奴隷だった人間たちにも同じマークが入っていました。元「王下七武海」の「ボア・ハンコック」の背中のように、天竜人の奴隷の身体には「天駆ける竜の蹄」という焼き印が入っています。タイガーは自身が解放した奴隷たちが元奴隷だったと分からないように、「天駆ける竜の蹄」の上から、焼き印で太陽のマークを上書きしていたのです。

 実はタイガー自身も天竜人の奴隷だった過去があり、その過去からも奴隷の印を消したかったのでしょう。この太陽の焼き印は、元タイヨウの海賊団の船員で「イーストブルー編」にてルフィたちと戦った、「アーロン」とその一味の仲間たちにもありました。当初はお揃いでタトゥーを入れているだけに見えた彼らの身体の模様の意味が、50巻以上後の「魚人島編」にて明らかになった際も話題になりました。

 まだ詳細は明らかになっていない例では、「ワノ国編」で登場した「百獣海賊団」の「キング」のタトゥーにも、何らかの意味が込められていると考えられています。異常な耐久力を持つ希少種族「ルナーリア族」のキングの顔に彫られたタトゥーは、月桂樹を思わせる草の葉模様のようなデザインで、この模様は「シャボンディ諸島編」で登場した、「ヒューマンオークション」の書類にも使われていました。

 501話でサンジが見た「人類売買」の相場リストの紙には、「その他珍種~時価」という文字の囲いがあり、キングの頭のタトゥーと同じような草の葉の模様が使われています。キングのタトゥーは、世界政府によって非道な耐久実験をさせられていたときから入っており、もしかすると彼が好きで入れたものではなく、ルナーリア族の伝統的なタトゥーなのかもしれません。

 世間に出回っている情報が少ないルナーリア族ですが、天竜人も来るヒューマンオークションの関係者の間で、「ルナーリア族」のタトゥーについては広まっており、書類にこの模様が使われていた、という可能性も考えられます。

 そのほか、ルフィの父である「モンキー・D・ドラゴン」の顔のタトゥーにも、何かしらの意味が込められているという考察が多々あるようです。「革命軍」の総司令官であるドラゴンの顔の左側には、「ひし形」のようなマークが3つ並んでいるように見えます。

 このため、ネット上では「トランプのダイヤの3を表しているのではないか」という考察も飛び交っています。家庭などでもよく遊ぶトランプゲームの「大富豪」で「ダイヤの3」は「革命」が起きると最強になるカードのため、この考察が当たっていれば革命軍にぴったりの意味となるでしょう。

 また、「エッグヘッド編」で描かれた「バーソロミュー・くま」の過去編では、「ドラゴンがタトゥーを入れた時期」にも注目が集まりました。

 第1097話で描かれた、22年前にくまや「ジニー」と出会い革命軍を結成した頃のドラゴンの顔には、タトゥーはありません。しかし、1097話の最後、それから8年後(14年前)の描写に移ると、今と同じタトゥーが入っていたのです。この間に息子のルフィが生まれている(19年前)はずなので、ドラゴンのタトゥーはルフィの出生や、詳細不明の「ルフィの母親」に関係している、という考察も生まれています。

 ドラゴンのほか、「トラファルガー・ロー」の指の「DEATH」の文字や、海軍元帥「サカズキ」の左腕の和彫りのような刺青に対しての右腕の「剣」の絵など、まだまだ作中には気になるタトゥーが登場しています。今後、どこかのタイミングでその意味が明かされるのか、注目が集まります。