はるかぜに告ぐら「アート系若手芸人」が新進気鋭の芸術家とコラボ! 「アーティストはお笑いのネタづくりもうまそう」

若手アーティスト&芸人が作品の見どころ紹介!

はるかぜに告ぐの2人と、この日、ギャラリーに在廊していた新進気鋭のアーティストたちに、自分の作品のテーマや見どころを聞きました。

【はるかぜに告ぐ・一色といろ】
『開運ニャ行絵図』のモチーフは、『百鬼夜行』です。私のライブ配信(SHOWROOM『はるかぜに告ぐ といろROOM』)に出ている子たちが『百鬼夜行』として、お化けとなって行進している、みたいなイメージで表現しました。モチーフを何にしようか決めるのに、いちばん悩みました。


出典: FANY マガジン

【はるかぜに告ぐ・とんず】
アクリル板に絵を描くのは初めてやったんです。絵の具も初めてのアクリル絵の具を自分で選んで、止まらない感性で描きました(笑)。仕上げるまでの時間は、かかってるんかな? 標準の時間がわからないけど、描けば描くほど『もっとよくなるんちゃうかな?』みたいな感じになってきて、やたら描き直しました。

でもアクリル絵の具って一度乾くと落ちひんから、「これ以上やってもな……」と思いながらも、その翌日に見たら重ねて描きたくなったりしたんですけど、「ナチュラルなボーンでいいかな」と思って、あえて途中でやめた、みたいな感じです。

作品タイトルは『No Mash』です。私のヘアスタイルが、マッシュとかウルフじゃなくてクラゲやでっていう意味で名付けました。クラゲを描くのはもともと好きです。


出典: FANY マガジン

【イワタアキラ】
NSC(吉本総合芸能学院)大阪39期。ポップでキュートなくまのキャラクター「もこもこくまさん」シリーズを展開。
「もこもこくまさん」は3~4年前から手掛けているシリーズです。今回も「もこもこくまさん」にちなんだ何かをつくれたらいいな、と思ってつくりました。初めてデジタルで下絵を描いて、それをキャンバスに転写したものを原画として描いたので、けっこうきれいな「もこもこくまさん」になったんじゃないかと思っています。遠くで見るのと近くで見るのとでは印象が変わるので、どちらからも楽しんで見てもらえるとうれしいです。


出典: FANY マガジン

【岡優七】
線のストロークや日本語の文字を積み重ねた抽象画を制作。油彩、アクリル絵の具でのキャンバスアートが主な作品。
今回はすべて新作です。私は抽象画で、「集積」とか「記録」をキーワードにして描いています。見ていただきたいのは、筆跡の重なりや、線のストローク。最初から「こういう絵を描きたい」という計画があるわけではなく、そのときどき、その場その場で、絵の具を使って勢いのある点や線を重ねていき、それをそのとき自分の過ごした記録としています。


出典: FANY マガジン

【Grogs.】
平面や立体、アニメーション映像など、さまざまな方法で自分の考えを視覚的に表現。オリジナルキャラクター「WHOMAN」とともに、見る人が考えることを楽しめる作品を制作。

今回は“芸術”の道をゆく方々との展覧会なので、そんな方々が共感しやすい作品をつくりました。オリジナルキャラクター「WHOMAN」を通して、狭い世界と広い世界を表現しています。

自分たちのように“芸”に生きる人は、人と考え方が違うっていう意識があります。狭い世界に1人だけいると違和感を持つことがあると思うんですけど、広い世界に出ると、意外と目立たなかったり、もっとすごい人と出会ったり、自分とまわりの人たちとの違いが見えるようになります。それを目の錯覚を利用して表現しています。作品と合わせてキャプションも読んでもらえるとうれしいです。


出典: FANY マガジン

【辻󠄀笙】
落語の色物で唯一の「立体紙切師」として、天満天神繁昌亭や神戸喜楽館に出演。そのほか、舞台や映画、作品展示やワークショップなど活動の幅を広げている。今年4 月から『にほんごであそぼ』(NHK Eテレ)に出演。

ふだんやっている切り絵のパフォーマンスだと時間が限られているので、ちゃんと見てもらえるように時間をかけて丁寧に作りました。たとえばトリケラトプスは、1枚の黒い紙をデザインナイフで切り抜いてアウトラインを作り、その裏に違う色の和紙を貼って色味を出しています。

いろんな角度で見てもらいたいですね。絵だと平面で、真正面から見るのが基本だと思うんですが、(切り絵作品は)立体になっているので、裏側や体の模様や和紙の色合い、切り出し方など、角度によって見え方が変わるので、実際に足を運んで注目していただけるとうれしいです。


出典: FANY マガジン

【灰野ゆう】
学生時代に図鑑でふと目にしたアメフラシの解剖図に心を奪われ虜となる。飼育や解剖を通してアメフラシへの理解を深め、主にそれをモチーフとした作品を制作している。

アメフラシという生き物の美しさに魅了されて7~8年になります。恋に落ちる瞬間のように、雷に打たれたような衝撃でした。そこから実際に海に行って浜で観察したり、写真を撮ったり飼育をしたりしてきました。アメフラシは不定形で、実際に見ていると1秒たりとも同じ形をしておらず、流動的なところに「うわ~!」と萌えるんです。

人生のテーマはアメフラシ。出会えたことを幸せに感じています。ただただ自分が美しいと思ったものをアウトプットしたので、見た方が「おもしろい」だったり、「美しい」と思ってもらえると本望です。


出典: FANY マガジン