マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』の世界には、数々の伏線が散りばめられています。それは物語の始まりでもある「第1話」も例外ではありません。改めて第1話でのシャンクスの行動に注目が集まっています。



「ヴァリアブルアクション Heroes ONE PIECE 赤髪のシャンクス」(メガハウス) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

【画像】30年経っても髪型変わらん! これは「両腕があった」頃のシャンクスです(3枚)

シャンクスはどこまで知っていたのか?

 大人気マンガ『ONE PIECE(ワンピース)』といえば、さまざまな伏線と、その鮮やかな回収劇も見どころのひとつです。ファンの間では物語の展開や考察が盛んに行われており、特に第1話での「シャンクス」の行動に注目が集まっています。

 それは、第1話の舞台である「モンキー・D・ルフィ」の育った「フーシャ村」にて、シャンクスがルフィを命懸けで助けたシーンです。まず、この第1話を振り返ると、そこに滞在していたシャンクス率いる「赤髪海賊団」が所持していた「ゴムゴムの実」を、ルフィが食べてしまいます。

 そしてカナヅチになったルフィは、山賊からのケンカを買ってしまい、山賊の棟梁「ヒグマ」に海へ蹴り落とされてしまいます。そこへ「近海の主」が現れ、ルフィが絶体絶命に追い込まれたところ、シャンクスが自身の片腕を犠牲にして助けてくれました。

 ここでのシャンクスの想いは、素直に受け取ると「同じ夢をもつ未来ある少年を、目の前で失いたくなかった」と考えられるでしょう。しかし、ここまでして守り切ったのには、「何か別の理由があったのではないか」と深読みするファンも少なくありません。

 ここで「古代兵器」に話を変えます。『ONE PIECE』世界には、3つの古代兵器として「ポセイドン」、「プルトン」、「ウラヌス」が存在します。そして、ポセイドンの正体はリュウグウ王国の女王「しらほし」そのものを指し、「ワノ国」に眠るとされる戦艦が「プルトン」と明かされました。

 そして「ウラヌス」に関してファンの間では「イム様が『ルルシア王国』を滅ぼした際に使用した兵器こそが『ウラヌス』なのではないか」とささやかれています。また、原作1116話「葛藤」では、イム様が「ウラヌス」と思われる兵器を使用する2週間前に、ベガパンクが開発した「マザーフレイム」の欠片が盗まれたという事実を確認できます。

 イム様が「ウラヌス」らしき兵器を使うために、「マザーフレイム」のような強力なエネルギーを必要としていた、と考えると、盗まれた理由に納得感が生まれます。

 そして「ウラヌス」の起動に膨大なエネルギーが必要なのであれば、同じ古代兵器である「プルトン」を起動する条件にも、マザーフレイム同等の力が必要であることが想像されます。

 これが「ゴムゴムの実(ヒトヒトの実)」が覚醒した「太陽神:ニカ」の力なのではないでしょうか。現に、1092話のエピソードでは、エッグヘッド島で眠っていた古代の大型ロボットが、ルフィがニカに変身したと同時に目覚めているような描写を確認できます。

 もしかしたら、大型ロボットが起動したように、古代兵器「プルトン」もニカの命令や指令によって起動する可能性が考えられます。世界政府が有するパシフィスタも、ベガパンクや五老星などの特定の人物の命令を聞くように設計されていたことから、現在を凌駕する化学が用いられた古代兵器にも同様の使用があってもおかしくありません。

 例えば、ラフテルにたどり着いたロジャーが、政府が真の悪であること、ウラヌスに対抗するためにプルトンが必要であること、その起動にはゴムゴムの実が必要であることを知り、それらの情報をシャンクスに伝えていたとします。

 そうすれば、大人になったシャンクスが危険をかえりみず、政府からゴムゴムの実を略奪した行動にも納得がいきます。そして、ゴムゴムの実を食べてしまったルフィを死なすことは、絶対にできなかったのではないでしょうか。

 そうして、ルフィにゴムゴムの実の覚醒を託し、フーシャ村をあとにしたのだとすれば、その後にニカ化したルフィの手配書を確認したシャンクスが「そろそろ奪りに行こうか ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」と決断したのにも、辻褄が合います。

 つまりシャンクスは、世界政府に対抗できる条件の揃ったこの時を、ずっと待っていたのではないでしょうか。