最終章に入った『ONE PIECE(ワンピース)』では、長年謎だった「Dの一族」の情報が明かされつつあります。しかし、一族のなかでの思想の違いや隠し名など、不可解な点もいまだに多いです。Dの一族にはどのような謎が残っているのでしょうか。
ルフィがパッケージに描かれた『ONE PIECE Log Collection “ZOU”』DVD(エイベックス・ピクチャーズ) (C)尾田栄一郎/集英社・フジテレビ・東映アニメーション
【画像】あれ、けっこう増えた? これが実は「D」の名を持つキャラです(6枚)
同じ「D」でも二極化する思想
『ONE PIECE(ワンピース)』で最大の謎のひとつとして挙げられるのが「Dの一族」です。原作第1117話の「Dr.ベガパンク」の世界放送で新たな真実が明かされたものの、いまだ不可解な点も残っています。
※この記事には『ONE PIECE』キャラの生死について記述があります。また、単行本コミックス109巻に未収録分の情報を含みます。ご注意ください。
まず「D」の名を持つ人のなかでも、相反する思想を持つ人物がいることです。例えば、主人公「モンキー・D・ルフィ」や海賊王「ゴール・D・ロジャー」は、作中の発言から「支配」に興味がなく「自由」に重きを置いていることが分かります。
一方、「黒ひげ」こと「マーシャル・D・ティーチ」は第1080話で、彼が統治する「海賊島ハチノス」を世界政府加盟国にする野望を明かしています。ほかにも、彼は勢力を拡大するため、能力者を殺害して能力を奪う「能力者狩り」を行うなど、目的のために非道な手段を選びがちです。数多くの国を支配から解放してきたルフィとは、相容れない思想の持ち主といえるでしょう。
かつてロジャーと海軍中将「モンキー・D・ガープ」が手を組んで戦ったとされる大海賊「ロックス・D・ジーベック」も、第957話で元海軍元帥の「センゴク」が「ロックスの野望は『世界の王』」「まるでテロ組織の様」と口にしています。
ロックスは情報こそ少ないものの、語り継がれる人柄は黒ひげに通じるものがあるでしょう。これらのエピソードから、一部のファンからは「Dの一族には2種類あるのでは」「D対Dの大きな戦いに発展することもありえそう」と新たな展開も考えられています。
続いて、一族のなかには「D」の名を隠す人物がいることも気になるでしょう。存在が判明したのは第763話で、幼少時の「トラファルガー・ロー」が「ベビー5」と「バッファロー」に「トラファルガー・D・ワーテル・ロー」と本名を告げ、「Dは隠し名」と明かしたときでした。ルフィのように「D」が名前に入っている人物がいるなか、わざわざ隠す人物がいることに違和感を覚えます。
さらに、1085話で「アラバスタ王国」の「ネフェルタリ家」がDの一族だったことが判明しました。アラバスタ王国のかつての女王は、世界政府を作り上げた20人の王のひとりでありながら、聖地「マリージョア」への移住を拒否した「ネフェルタリ・D・リリィ」でした。「D」を隠した理由は不明ですが、現国王の「コブラ」が「レヴェリー」にて「天竜人」の最高位とされる「イム様」と「五老星」の前で彼女のフルネームを口にした後、コブラは五老星に殺害されています。
そのことから、世界政府に知られると不都合があり、ほかにも「D」を隠しているキャラがいる可能性は高いでしょう。
そして「Dの一族」は世界政府に忌み嫌われていながら、政府が権威を持つ海軍のなかに「D」の名を持つ人物がいることも不可解です。例えばガープや、「ロビン」の命の恩人である「ハグワール・D・サウロ」は、「大将」に次ぐ高い位の「中将」(サウロは元中将)でした。
世界政府が、ガープやサウロが「D」であること知らずに入隊を許可したとは思えません。どのような思惑があるのでしょうか。ネット上では、「Dの力を認めてあえて手元においているのかも」「世界政府のなかにもDの一族がいるのでは」「採用が割と雑だったりして……」など、さまざまな考察があがっています。
ベガパンクの世界放送で途切れた「お前さん達の中に…も…」に続く言葉は謎のままです。今後「Dの一族」に関わる真実は、誰の口から明かされていくのでしょうか。