2024年夏には話題のアニメ映画が続々と公開されます。では、30年前の夏にはいったいどんなアニメ映画があったのでしょうか?
「東映アニメスペシャル」の1本として上映。画像は映画『らんま1/2 超無差別決戦!乱馬チームvs伝説の鳳凰』ポスター (C)高橋留美子/小学館・キティフィルム・ポニーキャニオン
【画像】えっ、かわいい! これが目をつぶってキスを待つ『らんま』シャンプーです(3枚)
同時上映ならではの短編に面白さが凝縮!
2024年の夏は『Re:ゼロから始める異世界生活 劇場型悪意』や『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』など話題のアニメ映画公開が続きます。では30年前、1994年の夏にはどんなアニメ映画が公開されていたのでしょうか?
調べてみると、『ライオンキング』や『平成狸合戦ぽんぽこ』が大ヒットしていました。夏休み期間ということもあって「動物もの、強し!」というイメージですが、実は他にもいろいろなアニメ映画があったんです。
『らんま1/2 超無差別決戦!乱馬チームvs伝説の鳳凰』(1994年8月20日公開)
マンガ『らんま1/2』を映画化したこの作品は、「東映アニメスペシャル」としてくくられた3本立てのなかの1本(同時上映は『GS美神 極楽大作戦!!』『平成イヌ物語バウ 原始イヌ物語バウ』)ということで、上映時間は短く25分でした。「東映まんがまつり」(1967年~)に始まる、こうした同時上映祭りは、かつては長期休みのたびに行われ、子どもたちをワクワクさせていたものです。
主人公は水をかぶると女性になってしまう特異体質の男子高校生「乱馬」で、今作では、うっかり卵からかえしてしまった鳳凰のヒナに攻撃されまくるという、高橋留美子作品ならではの軽妙なドタバタが描かれています。内容には満足なものの「もっと観たい感が尋常じゃない」と、上映時間の短さを嘆くファンの声もありました。
先月には『らんま1/2』の完全新作アニメが作られるという発表があり、当時のファンも楽しみにしていることでしょう。
『スラムダンク 全国制覇だ!桜木花道』(1994年7月9日公開)
こちらも「東映アニメフェア」として、『ドラゴンボールZ超戦士撃破!!勝つのはオレだ』『Dr.スランプアラレちゃん んちゃ!!わくわくハートの夏休み』と同時上映された1本です。上映時間は45分で、「悟空」や「アラレちゃん」との並びにやや違和感を覚えますが、それが同時上映祭りの味でもあります。
インターハイ予選の湘北高校と津久武高校の試合を描いたこの作品では、「桜木花道」がリバウンドで大活躍し、後に開花する花道の才能を予感させます。ストーリーは映画オリジナルですが、原作ではわずか数コマの場面だったというから驚きです。ファンからも「アニメでもダイジェストとして進んだところが、きちんと試合として見られて良かった」「マンガだと2ページ弱の試合を40分に膨らませるのすごいな」と喜びの声があがっています。
世界中で大ヒットした映画『THE FIRST SLAM DUNK』は、2024年8月13日からの復活上映も待たれており、「スラダン」の熱い夏は今も続いています。
『ストリートファイターIIMOVIE』(1994年8月6日公開)
『ストII』の通称で呼ばれ、空前の大ヒットとなった対戦型格闘ゲームをアニメ映画化した作品です。『ストII』のキャラが全員登場するため、リュウ使いやケン使いを始め、すべての推しキャラ持ちの心が沸き立ちました。格闘シーンも重厚感があり、『ストII』ファンは「ゲームのキャラがほぼ忠実にアニメになっている喜び」を感じたそうです。「春麗」のシャワーシーンや下着シーンなど、ややお色気が盛り込まれたのは、ファンサービスということでしょうか。
そしてこの映画の主題歌、篠原涼子さんが歌う「恋しさとせつなさと心強さと」はダブルミリオンという記録を打ち立てました。当時、映画は観ていなくても誰でもサビが歌えるほどの大ヒット曲は、『ストII』から生まれていたんです。
ちなみに1994年7月16日には、同じく格闘ゲームから生まれたアニメ映画『餓狼伝説-THE MOTION PICTURE-』も公開されています。1994年の夏、アニメ映画界では格ゲー対決も勃発していたんですね。