一大ブームにもなった、ファミコン版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』について、深い思い出を持つ人は多く、先日公開した「FC版『ドラクエ3』にあった『使えない呪文』」についての記事には、多くの反響が寄せられました。読者のコメントでは、ほかにも「使えない呪文」の例が多数挙げられています。どのような呪文が名を連ねたのでしょうか?
『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』 画像は同作のAndroidアプリ版
【画像】え、可愛い顔してエグい! こちらが強力呪文を炸裂させる、ドラクエの美少女たちです(5枚)
コスパを優先していくうちに「使わなくなった呪文」
マグミクスでは、ファミコン版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』に登場する、「ガッカリした、使えない呪文」についての記事を配信しました。記事では、道具で代用できる「アバカム」や「レムオル」、使い所が限られる「シャナク」、経験値が得られない「ニフラム」などの呪文を例に挙げて紹介しました。記事に対して、実際にプレイした思い出を持つ読者から多くの反響の声が寄せられ、ほかにも「使えない呪文」の例も続々と挙げられました。
特に「使えない呪文」として多数の声が挙がったのが、魔法使いがレベル12で覚える「ボミオス」です。敵1グループを対象に、モンスターたちの「すばやさ」を下げる効果があります。
シンプルに考えれば、すばやさの高いモンスターに使い、勇者側の攻撃を優先させる効果を期待できそうです。ところが、当時のプレイヤーたちの評価は、残念ながら「使えない」というものでした。例えば「無意味な呪文。なぜならピオリムを使った方が確実だから」「もはや使わない呪文としてネタにされているくらい」などの声が見られました。
レベル5で僧侶が覚える呪文「ピオリム」は、戦闘中のパーティー全体のすばやさを一時的に上げてくれます。敵に対して使うため、失敗する可能性があるボミオスと違って、確実に仲間のすばやさを上げられるため、どうしてもピオリムの方に軍配が上がるのです。
また、使用機会が限られてしまう補助呪文として、「ザメハ」も該当するのではないでしょうか。レベル16の僧侶が取得し、眠らされた仲間を覚醒させることができます。当然、ザメハを使える仲間が眠ってしまえば発動できません。筆者の思い出では、すぐに目覚めるだろうと楽観的に決め込んで、敵への攻撃を優先していた結果、ザメハを使う機会はほとんどありませんでした。幸い、その選択によってパーティーが全滅せずに済んでいます。「補助呪文を使うより、さっさと戦闘を終わらせたほうが早い」という考えの勇者は多いのではないでしょうか。
また、補助呪文以外にも、「コスパ的に優れてない」「ほかの呪文の方が良い」といった理由で使われなかった攻撃呪文もありました。例えば、レベル26の勇者が覚える「ライデイン」はMPを8消費し、敵1体に約80のダメージを与えられます。しかし、その段階での勇者の攻撃力や装備を考えれば、普通の物理攻撃を選んだ方が、MPを減らさずにライデインと同等、それ以上のダメージを与えられたのです。ライデインが敵単体ではなく、全体に効果のある呪文であれば、まだ使い勝手が良かったかもしれません。
「ミミックに食べられるフリーレン 屋外対応ステッカー」 (C)山田鐘人・アベツカサ/小学館/「葬送のフリーレン」製作委員会
(広告の後にも続きます)
「必要ない呪文」の考え方が「フリーレン様」?
ほかには、制作側のミスによって使われなくなることが必然となってしまった攻撃呪文「ヒャダイン」も外せないでしょう。ヒャダインはヒャド系のなかで2番目に強い呪文とされ、FC版『ドラクエ3』の公式ガイドブックにも「レベル26の魔法使いが習得する」と記述があります。
そしてヒャド系最強の「マヒャド」はレベル32で覚えることになっていますが、実際にヒャダインとマヒャドを習得する順番は逆だったのです。ヒャダインは敵全体、マヒャドは敵1グループと対象範囲は違うものの、火力を上回る最強呪文を先に覚えてしまう流れになってしまったため、ヒャダインの存在意義が失われてしまいました。この事態を覚えていたプレイヤーは多く、「使わなかった呪文筆頭」「覚えた時のレベルを考えたら物理攻撃、武器の特殊効果で事足りる」などの声も寄せられました。
また、宝箱がモンスターの「ひとくいばこ」や「ミミック」か判断する呪文「インパス」も「使えない呪文」とする意見もありました。「種類を確認したところで、結局、全部開けるのであまり意味がない」というのです。
2023年9月から2024年3月にかけて放送されて話題になったアニメ『葬送のフリーレン』の主人公「フリーレン」には「宝箱を見つけたら開けたくなる衝動に駆られる」という特徴があり、そのせいで、たびたびミミックに噛まれてしまいます。「全部開けるのであまり意味がない」という意見には、「まさにフリーレン……」という感想を抱いた人も多いでしょう。
FC版『ドラクエ3』にはまだAI戦闘のシステムがなかったので、呪文の効率的な使い方は、手探りで見つける必要がありました。新しい呪文を覚えたら試してみることを繰り返し、自分にとって使い勝手の良い呪文が洗練されていくのも、FC版『ドラクエ3』ならではの楽しさだったともいえるでしょう。
Andoroidアプリ版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』:
(C)1988, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved