ドライバーの飛距離を伸ばす“足の動き”とは…?「足の裏を前後に…」

多くの海外コーチのメソッドを現地で直接指導を受けてきた吉田洋一郎がその概要をアマチュアにもわかりやすく解説。

今回は、レッドベターの下で経験を積み、チェ・ナヨンなどを指導したケビン・スメルツを紹介する。

足の裏を前後に使うダイナミックなフットワーク


バックスイング(上写真)、ダウンスイング(下写真)

ケビン・スメルツのメソッドの特徴は、フットワークにあります。師匠であるデビッド・レッドベターの代表的なメソッドのボディターンと比べると、下半身を積極的に使って体の回転を促すことを重視しています。

とくに、切り返しでしっかりと左に踏み込むことと、足の裏を前後に使うことで回転をサポートする動きなどが特徴的で、下半身をダイナミックに使ってパワーを生み出そうとします。

これは足裏の荷重を測定できるフォースプレートなどの最新機器を活用し、ドラコン選手などのスイングを分析して導き出した方法論。体の右サイドと左サイドの使い方をしっかり区別することで、スムーズかつパワフルな回転でスイングします。

「手打ち」といわれがちで飛距離の出ないアマチュアにとっては、大いに参考になるメソッドだと思います。

メソッドの肝1 足の裏を前後に使って体の回転を促す


足の裏の荷重によって、バックスイングでは右側、ダウンスイング以降は左側への回転を促す。

バックスイングでは右足のカカト側と左足のツマ先側、切り返しからダウンスイングでは左足のカカト側と右足のツマ先側に加重。足の裏を前後に使うことでスムーズな体の回転を促す。

メソッドの肝2 切り返しではスクワットするように踏み込む


体がグッと沈むように踏み込みます

切り返しでは、スクワットのように両足でしゃがみ込みつつ左にしっかり踏み込む動作が不可欠。ドラコン選手のデータを分析したところこの動きが強く、瞬発的なほど飛距離が出やすいことがわかった。

両足でしゃがみ込めずに、左足だけで踏み込もうとすると上体が突っ込みやすい

メソッドの肝3 踏み込んだあとは右足を使って体を押し込んでいく


右足を内側にねじり込むようなイメージで、右ツマ先で地面を押しながら体の回転を後押ししていく

切り返しで左に踏み込んだあとは、右足ツマ先を踏みながら右足をねじり込むように体を押し込んで回転していく。左サイドと右サイドそれぞれの動きを分離して考えよう。

ケビン・スメルツ
D・レッドベターのアカデミースタッフとして頭角を現し、日本でも指導歴のあるコーチ。現在はジュニアゴルファーの育成などに力を注いでいる。

チェ・ナヨン
1987年生まれ、韓国出身。04年にプロ転向し、08年からはUSLPGAに本格挑戦。12年の全米女子オープンなどアメリカで通算9勝をあげている。

解説・レッスン=吉田洋一郎
●よしだ・ひろいちろう/1978年生まれ、北海道出身。スイング研究に強い情熱を燃やし、海外で直接有名コーチのメソッドを学び知識を広げる。日本ゴルフスイング研究所主宰。

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構成=鈴木康介 
写真=中野義昌、アフロ 
協力=取手桜が丘ゴルフクラブ(アコーディア・ゴルフ)