能登の復興を願って ミニチュア作家が技術を生かして魅力を発信

 元旦に最大震度7の大地震にみまわれた石川県能登半島。時間はかかりつつも一歩一歩、着実に復興の道を進んでいます。そんな中、能登の「食」の魅力を伝えようとX(Twitter)に作品を投稿したのは、ミニチュア作家の金沢美味しい作家さん。

 スマホケースの上にずらりと敷き詰められた無数の寿司は壮観の一言。ミニチュアと分かっていてもヨダレが止まらない!無性にお寿司が食べたくなってしまいます。

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 北陸のネタをふんだんに取り入れて作ったという今回のスマホケース。これだけ数があるのに1貫1貫、丁寧に作られており本物そっくり!お寿司好きには夢のような作品です。

 「能登、氷見のお魚は絶品です」と、太鼓判を押す金沢美味しい作家さん。この投稿には「寿司屋に行きたくなる」「美味しそう」などのコメントが多数よせられ、沢山の人のお腹の虫をざわつかせています。



■ 完成までに要した期間は3か月!

―― 今回の作品を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

 令和5年5月の能登地震では、ミニチュアの売り上げの全額寄付を行っていました。「地震も落ち着いたなぁ~」と、思った矢先の正月の大地震。珠州の親戚の家は住むことができなくなりました。

 私たちのミニチュアの売り上げは、たかが知れています。今回は寄付ではなく、能登を感じてもらえるようなバズる作品を作りたいと!

―― あらためて作品を見ても、本当にたくさんのお寿司が並んでいますね!

 北陸のネタを主に作っていたら、白っぽいものが多いことに気づきました。ラインナップは甘エビ、ガスエビ、アジ、ブリ、カワハギ、サヨリ、ノドグロ。さらに、みんなの好きなマグロやサーモンを入れました。

 北陸の刺身は、みんな脂がのっていて甘く、新鮮な魚は歯応えもちがいます。1人でも多くの方が「能登」を食べて欲しいという思いで作りました。

―― 間違いなく、みんな食べたくなったと思います。美味しそぅな作品を作る上で大変だったことを教えてください。

 実はプレゼントしたい人がいて。持った感じネタに高さがあるとスマホとして使いにくいことがわかり、また一から作り直し、低くしました。また透明感をどうやって出すかが大変でした。

 何度も失敗しているので4月から作り始め、やっと完成。出来上がるまでに約3ヶ月かかりました。おかげで魚がなえてしまいました(笑)。

―― これを作り直すとは……。他にもこだわった部分を教えてください。

 皆さん画像を拡大されるので、拡大しても素材の肌が分かるように作っています。

―― たしかに、つい拡大してしまいますね。北陸の「食」の魅力を教えてください。

 おすすめは、季節ごとの採れたてを食べることです。秋ごろからは身が締まったお魚たちが北陸を盛り上げます。

 被害の多い能登のお魚、富山の氷見も被害があったと聞いていますが美味しいです。被害にあっても頑張る人たちと、その恵みを全国に届けたいです。

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 北陸の「食」の魅力は作品のチカラで多くの人に伝わったのではないでしょうか。さらに金沢美味しい作家さんは、ミニチュアだけでなく別の形でも北陸を応援をしています。

 それは、なんと歌。現在、障害者支援を行っている金沢美味しい作家さんは20代の頃に能登島で暮らしていた経験を生かし、応援ソングを作っているといいます。どのような作品が完成するのか、こちらも待ち遠しいですね。

 被害にあった地域の一日も早い復興を心よりお祈りいたします。

<記事化協力>

金沢美味しい作家@ミニチュアの世界さん(@minimini_japan

(佐藤圭亮)

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024071701.html