身長が高いほうが有利とはいうけれど、小柄でも飛ぶ人がいるのも事実。逆に身長が高いなりの苦労もある。
自分の体格にあった飛ばし方を見つけることで、さらなる飛距離&方向性アップにつなげよう!
高いトップからシャフトの負荷を最大化
高トルクスイング
Point:理想的なオンプレーンなので手元とクラブヘッドが重なっている
アドレス〜バックスイング
勝選手の身長は157センチと、最近の若手では小柄なほう。長身の選手と同じ長さのドライバーを使用したとき、手元は低くなりますが、必要以上に低くしてしまうとヒッカケの原因になってしまう。
しかし、勝選手はどこにもリキみがなくスッと立っている。後方からのアングルを見て、手元とヘッドが重なるということはヘッドの通り道と手の描く軌道がかぎりなく近いことの証明。低く長いテークバックから生まれる精度の高いスイングにより方向性も安定します。
トップ
胸が完全に後方を向いていて、深く捻転したトップです。特徴的なのは、手元とクラブの関係。一般的にはクラブの慣性もあいまって手首にコッキングが入り、シャフトが地面と平行になるものですが、勝選手はそうはなっていません。
切り返しでは手元の動く方向と、ヘッドのそれまでの運動方向にギャップが生まれるためシャフトが強くしなる。彼女はこのしなりを上手に使い、小柄でも大きなパワーを生み出しています。
Point:骨盤が完全にターゲット方向を 向いており、インパクトでの捻転差が最大に。ボールを“叩ける” 体勢になっている
切り返し
少し高い位置からクラブが下りてきているように見えますが、シャフトの延長線上にボールがあるのでオンプレーンの範囲。これより少しでも前方にヘッドが移動するとアウトサイド・イン軌道になりますが、右ヒジが体の近くで曲がり、手首もうしろへ曲がっているので、強く叩けるポジションにクラブをとどめています。
インパクト
左右のお尻が完全に見えている状態でインパクトしており、下半身の回転がかなり先行してボールをとらえています。バックスイングでフェースをややシャットに上げているのは、このインパクト時に右へプッシュアウトしないためです。
いかがでしたか? 勝選手のシャフトのしならせ方を参考に飛距離&方向性アップに繋げてみてください。
勝 みなみ
●かつ・みなみ/1998年生まれ、鹿児島県出身。157cm。17年プロデビュー。以降も安定した成績を収めてきた。23年からは海外ツアーに挑戦。身長160cm未満の小柄な体格だが、ドライビングディスタンスはつねに250ヤード以上で飛ばしのセンスが光る。23年の国内ツアーのドライビングディスタンスは258.91ヤード。明治安田所属。
解説=岩崎ルイ
●いわさき・るい/インスタグラムの投稿が人気沸騰中。わかりやすい解説とイケメンのルックスに女性ゴルファーからも人気が高い。難解な物理や流行りのキーワードよりも「基本」に重きを置いたレッスンを得意としている。
写真=ゲーリー小林
撮影トーナメント=BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ2023、パナソニックオープンレディース、ワールドレディス サロンパスカップ