霜降りせいやにたしなめられた

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――いいですね。ちなみに、お二人はボケとツッコミが決まっていないですが、当時からそのスタイル?

兎「ですね。あの頃は、堂前がAとBでセリフを割り振った台本を持って来てたんで、ライブごとに入れ替えたりもしていました」

――珍しいですね。

堂前「昔はお互い個性も全くなかったんで。飽きないようにやってたんですよ」

――その後、手応えを感じ始めたのはいつでしょう?

兎「漫才劇場のメンバーになる手前くらいですかね。先輩に『こいつらオモロいな』ってことで、寄席に呼んでもらえるようになった」

堂前「ヤーレンズさんとかね。徐々に自信がついてきた時期だった気はします」

――漫才劇場メンバーになってからは、さらに自信も人気も出たのでは?

兎「いや、全然ですよ! 右も左も分からず、トークで冷めるようなこと言って、霜降り明星のせいやにたしなめられたりして(笑)。勉強の日々でした。ただ、バトルライブでは、ほぼ最速で一番上のランクに上がれてはいましたね」

――その後も、着実に結果を残されてきた印象です。

兎「2020年に初めてキングオブコント(以下、KOC)の決勝に進出したんですが、その年、漫才劇場メンバーのニッポンの社長と滝音も一緒で、感慨深かったですね。正直、現実味がなくて夢かなと思いましたが」

堂前「そうなん? 僕は準決勝終わって“行ったな”とは思ってましたけどね」

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M-1準決勝の苦い思い出

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――さすがです。さらに翌年には、M-1グランプリでも決勝進出されました。

兎「怒涛でしたね。そもそも僕らはコント師なので、漫才は自分の中で納得できるかどうかを基準に挑んでいる部分もあるんです。19年のM-1準決勝で緊張しすぎて、水中でパクパク言ってる感覚で4分間が終わった。それが悔しくて、東京の街を3時間泣きながら歩いて帰りました(笑)。
それから、KOCの決勝などを経験したことで、緊張を制御できるようになって。21年のM-1準決勝では100点に近い納得の漫才ができたんです」

――経験を重ねたことで、決勝へ駒を進められたと。堂前さんも自信があった?

堂前「僕は『絶対に行ったな』って思ってました。なんなら、9月ごろから思ってましたね」

兎「(笑)。そんなわけないだろ。しかも、9月はまだKOCやってる時期やん」

――毎年、2大会に出場されて誰よりも忙しそうです。

兎「いつもKOCが終わってから、M-1どうしようって、あたふたしてます」

堂前「でも、関係ないんですけどね。僕らは発想勝負のネタではあるんで。時間はいらないんですよ」

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