(画像はAIで生成したイメージ)

昨年、元女性隊員への性加害事件で3人の元隊員に有罪判決が下った陸上自衛隊で、今度はパワハラ裁判が巻き起こっている。

7月1日、陸上自衛隊海田市駐屯地(広島県海田町)に所属する30~50代の女性隊員3人が、上官から怒鳴って業務を命じられたり、厳しい叱責を受けたとして、国と上官に計990万円の損害賠償を求める訴訟を広島地裁に起こした。

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「訴状によると、技官として勤務していた女性隊員らは2018年7月の西日本豪雨の際、隊員らを対象とする『24時間診療』に従事したが、上官の科長から『たかがそんなことで仕事だと思うな。帰りたいなら帰れ』と罵声を浴びせられたそうです」(社会部記者)

女性隊員たちは他にも、「誰の許可を得て残業しているんだ」と叱責されるなど、22件のパワハラ被害を訴えている。

「パワハラ認定しない」と通知

「被害に遭った女性隊員は、いずれも22年6月以降に適応障害と診断されて休職。同年、防衛省が行った特別防衛監察でも被害を訴えたが、今年2月に『パワハラ認定しない』との通知があり、裁判に踏み切ったのです」(前出・社会部記者)

こうした経緯があるためか、裁判を起こした女性隊員らの鼻息は荒いという。

「被害隊員のうち2人は復帰、1人は現在も復帰訓練中だが、いずれもパワハラを行った上官や、それを擁護した組織と徹底的に戦う構えです」(同)

1日の提訴後に弁護団と共に記者会見に臨んだ2人の隊員は、「パワハラを我慢し続けた結果、私は病気になり、働けない人間にされました。人生を取り戻したい」「パワハラがないなんて言われたら、やはり戦いたいなという気持ちで、裁判を起こすことにしました」などと主張した。

海田市駐屯地は「現時点で訴状が届いていないので確認できない」とコメントしているが、この勝負、陸自側に勝ち目はなさそうだ。