キャンプやバーベキューには欠かせないのが着火剤。火が付きにくい木炭や薪の燃焼を助け、火おこしを楽にしてくれる便利なアイテムです。
しかし、使い方を間違えると大きな事故に繋がる可能性があるのです。
■たった数秒で・・・着火剤をつぎ足す怖さ
堺市消防局によると、「火力が弱い」や「早く調理したい」という理由からゼリー状の着火剤を、火につぎ足して使用したことで、着火剤が飛び散って衣服に燃え移り、負傷する事故があったよう。
さらに、消毒用アルコールを火に投入して一気に燃え広がり、死傷者が発生した事故も起きています。
着火剤の中でもゼリー状の着火剤は、メチルアルコールなど揮発性・燃焼性が高い成分のものが多く、途中でつぎ足すと大きな炎が上がったり爆発したりするおそれがあります。
さらに、炎が見えにくいという特性も。
特に太陽の下では見えにくく、火がついていないように見えてしまうため、着ているものに燃え移ってしまったり、着火剤を過剰につぎ足して使用してしまう危険性があるのです。
着火剤は揮発性も高いために、容器を開けたままにしておくと容易にガス化します。そのまま火をつけてしまい爆発してしまう可能性も。
堺市消防局でも、「着火剤の容器の蓋は開けたまま放置せず、コンロの点火の際には十分に距離を取るようにしましょう」と呼びかけています。
独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)では、実際に着火剤をつぎ足した場面を再現した動画を公開。
炎が大きくなってからたった数秒で、バーベキューコンロの傍にいたマネキンのTシャツに炎が燃え移ってしまいました。
■着火剤のつぎ足しは行わない。消毒用アルコールは「絶対投入しない」
これらのことから、堺市消防局では下記の注意事項を公開しています。
①バーベキューコンロに点火後は、着火剤の「継ぎ足し」は行わない。目的外使用である消毒用アルコールは絶対投入しない。
②着火剤を容器から出した後は速やかに点火する。
③着火剤を使用する場合は必ず取扱説明書をよく読み、大量にかけず適量で使用する。
④子どもによる着火剤の取扱いは大変危険なため、必ず大人が取扱い、管理する。
⑤使用済みの木炭を捨てる際は、木炭を水道水などで十分に浸してから捨てる。
⑥すぐに消火できるよう水バケツを用意しておく。
※引用:堺市消防局ホームページより
手軽に使用できる着火剤ですが、誤った使い方をすることで大事故になる可能性があるため、注意が必要です。
着火剤の性質や特性をよく理解したうえで、安全にキャンプやバーベキューを楽しみましょう。