ジミー大西の原画展『ホームタウン』が“ゆかりの地”長崎で開幕! 作品制作中のジミーに会えるかも!?

画家・ジミー大西の大規模原画展『ホームタウン』が、7月19日(金)から長崎歴史文化博物館で始まりました(9月1日まで)。「ホームタウン」というタイトルの通り、開催地にちなんだ新作をはじめ、世界各地で描いた作品が集められた今回の原画展。絵画だけではなく立体作品も多数あり、見どころ満載です。しかも今回は、長期にわたって長崎に滞在し、現地で作品の制作にも取組む予定だそう。そこで、集大成ともいえる今回の大規模個展について、本人から話を聞いてきました。


出典: FANY マガジン

創作当時のエピソードとともに楽しめる原画の数々

1992年にテレビ番組での企画を機に絵を描き始めたジミー大西。その後、創作活動に専念するため、なんとお笑い芸人を“休業”してスペインへ移住した時期も! 以来、世界を放浪したり、絵を描くのをやめた時期もありながら、幾多の作品を生み出してきました。同展では、日本で描かれた初期の作品から、スペインをはじめとする世界各地で生まれた原画の数々まで、創作当時のエピソードとともに見ることができます。

「スペインのバルセロナに住んでいたときに(明石家)さんまさんが遊びに来てくれたんです。サッカー好きのさんまさんが競技場で応援している間、僕は会場の外でこの絵を描きました」という作品『バルサ』はスペイン滞在時の代表作だとジミー。バルセロナでは「日本的な絵を描くんだね、と言われたことが印象的です」と振り返ります。


出典: FANY マガジン

そのほか、「バルセロナで理想の色が出るまで1枚1枚タイルに色を塗っては焼いて、塗っては焼いてを繰り返して完成まで半年くらいかかりました」という、今回初公開となる大型作品や、キャンバスを飛び出しそうな勢いで大胆に描かれたイタリア・フィレンツェのヴェッキオ橋、“おかん”をモチーフにドイツで描いた作品など、ジミーの目線で切り取った世界に目が釘付けです。


出典: FANY マガジン

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年月とともに変遷するジミー作品の細かな変化が楽しめるほか、色鮮やかな筆致はまるでその場所の空気をまとっているかのようにも感じられて、作品を通して旅をしている気分になれます。

「トマトさんがお気に入り」という、ジミーの空想の世界を形にした絵本から生まれたキャラクター原画は見る人の心をほっこりさせます。また、「岡本太郎先生のオブジェを見て感動して、おカネを貯めてつくった」というツルをモチーフにした立体作品は圧巻。制作にかかった費用は、なんと「レクサス1台分くらい」だとか。常識にとらわれない数々の作品は、見るものの心を日常から解き放ってくれます。


出典: FANY マガジン

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新作「長崎・出島」のキャンバスはタンバリン!?

これまで創作の“場所”にこだわってきたジミー大西。そんなジミーが今回、スタートの地に選んだのは、個展を開催するのは初めてという長崎。じつは、深~い“ゆかりの地”であることを明かして笑いを誘います。

「高校時代、野球部の合宿で島原に来たんです。そしてあまりにも野球がツラくて脱走して、長崎県警に保護されたことがあるんです。忘れられない長崎の思い出でして……。(巡回展の)スタートはやっぱり長崎かなと」

長崎会場のために描き下ろした新作「長崎・出島」も必見です。「いろいろな資料を見て、長崎くんちや出島の歴史が心に残って、つくりました」とジミー。


出典: FANY マガジン

ちなみに、この作品のキャンバスは、なんとタンバリン! タンバリンに長崎の県花でもある「雲仙つつじ」をはじめ、長崎くんちの「オランダ船」や西九州新幹線「かもめ」などを大胆にあしらったインパクトのある立体作品に仕上がっています。