最近は、かつて放送された作品を再アニメ化する動きが活発になっています。すでに分かっている作品だけでも『らんま1/2』や『YAIBA』、『北斗の拳』などが待機しています。こういった「再アニメ化の波」を受け、ネット上では「次に再アニメ化してほしい作品」も話題になってきました。
『地獄先生ぬ~べ~』DVD Vol.1(東映アニメーション)
【画像】え…っ? 「生徒が大きい」「ゆきめのビジュアルが」 こちらが物議をかもした「実写版ぬ~べ~」です
最終話が戦いの最中で終わり?
2024年は、かつて放送されたアニメ作品の「再アニメ化」が続々と決定しています。例えば2024年10月からは、高橋留美子先生の名作である『らんま1/2』の新作アニメの放送が始まり、ほかには、CLAMPが手がけた『魔法騎士レイアース』や、青山剛昌先生の『YAIBA』も再アニメ化することが発表されました。
こういった「再アニメ化の波」が押し寄せているなかで、やはり「この作品をリバイバルしてほしい」と願うファンも少なくないでしょう。SNS上では、自身が推す作品の再アニメ化を期待する意見も目につきます。そのなかには、かつて「週刊少年ジャンプ」を彩った人気タイトルもありました。
たとえば、『封神演義』(作:藤崎竜)を改めてアニメ化して欲しいという声は多いです。原作は、仙人界の道士の主人子「太公望」が、悪の仙人を封じるための計画「封神計画」を遂行していくという物語で、中国の古典『封神演義』をアレンジしたストーリーが評価を得た作品です。
1999年に『仙界伝 封神演義』、2018年にリメイク版『覇穹 封神演義』と計2度アニメ化されていますが、1作目は原作の途中で終わったことや改変が多かったこと、2作目も大幅なストーリー改変やキャラのカットがあり、どちらも視聴者からの反応は芳しくありませんでした。
ファンからは「駆け足になっていた印象があったので、原作に忠実にアニメ化してほしい」「1年かけてじっくりやってくれたら絶対に見る」といった声があがっています。
ほかには、平成を代表するギャグマンガとして名を馳せた『ボボボーボ・ボーボボ』(作:澤井啓夫)も、再アニメ化を望む声が見受けられます。
同作は、300X年、地球を支配するマルガリータ帝国の皇帝「ツル・ツルリーナ4世」による「毛狩り」に抗うため、鼻毛真拳の使い手「ボボボーボ・ボーボボ」や「ビュティ」、「首領パッチ」らが戦うギャグマンガです。
2003年から2005年まで放送されたアニメ版も原作と同じく、作中の強烈なキャラによる激しいギャグが繰り広げられました。その結果、「日本PTA全国協議会」が実施した「テレビ番組に関する小中学生と親の意識調査」で、「子供に見せたくない番組」に2004年と2005年にワースト上位にランクインしてしまったのです。
そういった影響か、全国ネットのゴールデンタイムで放送されていた同作は、放送開始後半年ほどでローカルの時間帯へと変更され、さらに、2005年4月からは放送局がテレビ朝日のみとなりました。最終的にはすべてのスポンサーが降板してしまい、そんななかで描かれた最終話は、敵との戦いの最中で幕を閉じます。
ある意味『ボーボボ』らしい自由なラストでしたが、ファンにとってはモヤモヤが残ったようで、いまだに「深夜枠でもいいから原作通りに最後までしっかり描いてくれ」「この令和の時代にこそ、『ボーボボ』の世界観がマッチするはず」といった声が見られ、再アニメ化を期待するファンは一定数いることがうかがえます。
原作を描き切れずに終わったジャンプ作品のアニメといえば、ホラーと学園ものを組み合わせた人気作『地獄先生ぬ~べ~』(原作:真倉翔/作画:岡野剛)も当てはまります。1993年からジャンプで連載が始まり、アニメ版は1996年から1997年まで放送されました。
同作は、主人公で小学校の教師である「ぬ~べ~」こと「鵺野鳴介」が、生徒たちを襲う妖怪や幽霊から守るという物語です。アニメ版は原作が完結する前に終了しています。
やはり『ぬ~べ~』の終盤の物語をアニメで観たい人は多いようで、「ぬ~べ~とゆきめの結婚はマジで見たい」「メリーさんの回をいまの映像技術で再現してほしい」などの声があがっています。一方で、女性キャラによるお色気シーンも多いため、「現代のコンプラ的に再アニメ化は難しいのでは」という懸念点を語る人もいました。コンプライアンスの問題を回避できるか否かが、『ぬ~べ~』再アニメ化の課題になるかもしれません。