ミュージシャンの布袋寅泰や「X JAPAN」hideなどが愛用していたことで知られるギターメーカーのフェルナンデスが破産申請をしていたことがわかり、ファンの間に衝撃が走っている。負債総額は債権者約80名に対して約7億円。

 同社の公式Webサイトでは「事業の継続が不可能な状況となりました」と報告されており、今後は自己破産手続きの申し立てが行われるようだ。8年以上前に46万円を支払ってギターの納品を待っていたという客からは「FERNANDES倒産って言われても…」という声が寄せられており、SNS上で同情を呼んでいる。

 そもそもギターの納品に8年もかかること自体が驚きだが、フェルナンデスではワシントン条約の規制強化等によりギターのボディ材となる「ホンジュラスマホガニ-」が入手困難なことを理由としていたという。だが、すでに資金繰りが悪化していた可能性もありそうだ。

 音楽ライターが語る。

「1999年1月期には年間売上高40億円に達していたフェルナンデスですが、中古市場の台頭や競争激化によって業績が悪化。さらに新型コロナウイルス感染拡大による音楽活動の規制が致命傷になったようです。すでに代金を支払い済みでギターの到着を待っている客も少なくなく、動揺や不安の声が広がっています。中国やインドネシア製造の超低価格ギターが市場を席巻する中で、ヤマハなどの国内ブランドもまだまだ支持を集めているだけに残念ですね。有名アーティストのシグネチャーモデルに力を入れていたことも、経営を悪化させた要因のひとつになっているかもしれません」

 学生時代に初めてフェルナンデスのギターを手にしたというファンも多いだろう。今頃、過ぎ去った青春を思い出しながら、寂しさを感じているのではないだろうか。

ケン高田

【写真ギャラリー】大きなサイズで見る