毎年ただでさえ暑い大相撲名古屋場所だが、今年は別格だ。15日間のチケットは早々に完売して相撲人気は健在なのだが、連日最高気温が35℃を超える中、力士たちにとっては地獄のような日々が続いている。というのも、初日から会場の「ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)」のエアコンの効きがすこぶる悪いのだ。
ドルフィンズアリーナは1965年から名古屋場所に使われているが、空調も含め老朽化が進んでいる。
「実は名古屋場所のエアコンの不調は18年にも起きました。2基ある空調器の1基が完全に故障してしまい、館内温度が36℃になった日もあったんです。エアコンの効きが特に悪いのが力士たちが陣取る支度部屋で、とにかく蒸し暑い。しかもそこに大きな力士たちが押し込まれる形で、中央を薄い仕切り板のみで東西に分けているだけ。そんな密集具合ですから、20年のコロナ禍での名古屋場所は国技館(東京・両国)に変更されたんです」(相撲担当記者)
たださえ汗かきの力士たちからは「土俵に上がる前に疲れる…」との弱音ばかりが聞こえてくるわけだが、このドルフィンズアリーナでの名古屋場所はこれが最後。来年からは名古屋城を挟んで北側の名城公園内にオープンする「IGアリーナ」での開催となるだけに、力士たちには歴史を噛みしめてほしいものだ。
(小田龍司)