今から30年前の1994年は、ファミコンソフトが発売された最後の年になります。すでに次世代機のスーパーファミコンやゲームボーイが普及していたこともあり、ファミコンは影の薄い存在でした。そんな厳しい時期なのにもかかわらず、ファミコン向けに発売されたタイトルとは?
1994年に任天堂から発売された『ゼルダの伝説1』のタイトル画面
【画像】違いがスゴすぎ! これが初代『ゼルダの伝説』と最新作『ティアキン』の画面比較です(4枚)
最後の年に登場したのは人気タイトルの移植作?
今から30年前の1994年、任天堂は家庭用ゲーム機「スーパーファミコン(以下、SFC)」や携帯型ゲーム機「ゲームボーイ(以下、GB)」を発売済で、さらに年の終わりには、ソニーから「プレイステーション」、SEGAから「セガサターン」が登場しました。まさにゲーム機の世代交代が起こった年といえるでしょう。
しかし、この1994年はSFCの前世代にあたる家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)」のソフトが発売された最後の年でもあります(※)。次世代機の普及が進むなかで、どのようなファミコンソフトがリリースされたのでしょうか。
※近年、ファミコンやその互換機向けの新作ゲームソフトが発売されていますが、この記事における「最後のファミコンソフト」は、大手を含む各社がファミコン向けにソフトを展開していた時代の「最後の年に発売されたソフト」とします。
1994年に発売されたファミコンソフトは、以下の全7タイトルです。
・『ゼルダの伝説1』(任天堂/1994年2月19日)
・『ワリオの森』(任天堂/1994年2月19日)
・『ファイナルファンタジーI・II』(スクウェア/1994年2月27日)
・『データック Jリーグ スーパートッププレイヤーズ』(バンダイ/1994年4月22日)
・『パチスロアドベンチャー3 ビタオシー7見参!』(ココナッツジャパン/1994年5月13日)
・『Jリーグウイニングゴール』(エレクトロニック・アーツ・ビクター/1994年5月27日)
・『高橋名人の冒険島IV』(ハドソン/1994年6月24日)
この年の最初に発売されたファミコンソフトは、同じ日にリリースされた任天堂の『ゼルダの伝説1』と『ワリオの森』です。
今も続く「ゼルダの伝説」シリーズは、ファミコンの「ディスクシステム」向けに1986年に発売された『ゼルダの伝説』から始まります。「大魔王ガノン」に占領された王国の平和と「ゼルダ姫」を取り戻すため、主人公の「リンク」が8つに分かれた「トライフォース」のカケラを探して冒険するというストーリーで、リンクを操作しながら敵を倒したり、謎解きをクリアしたりするアクションゲームです。
1994年に発売された『ゼルダの伝説1』はその続編ではなく、ディスクシステム版の『ゼルダの伝説』をROMカセットに移植したものです。一部BGMに違いはあるものの、中身はほとんど変わらず、ディスクシステムを持っていなかった人でも、気軽に名作『ゼルダの伝説』をプレイできるようになったのがポイントだったといえるでしょう。
1994年発売、最後のファミコンソフトとされる『高橋名人の冒険島IV』(ハドソン)
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激ムズゲームの最終作が「最後のファミコンソフト」に
突然ですが、1992年にバンダイから発売された「データック」というファミコンの周辺機器を覚えているでしょうか。ゲームに対応したカードのバーコードを読み取ると、カートのデータがゲーム内に反映されるという仕組みです。本体には専用ソフトを差し込む箇所があり、通常のカセットよりも小さいサイズになります。
専用ソフトは全7タイトルで、1994年にこのデータック対応ソフトとして最後に発売されたのが、『データック Jリーグ スーパートッププレイヤーズ』です。同作はその名の通り、Jリーグのサッカーチームを使って対戦するゲームで、付属のチームデータカードをデータックで読み取れば、好きなチームを使うことが可能です。
そして、最後のファミコンソフトとなったのが『高橋名人の冒険島IV』です。「高橋名人の冒険島」シリーズは、「16連射」でお馴染みのファミコンレジェンドである高橋名人をモチーフにしたアクションゲームで、1986年に発売された初代『高橋名人の冒険島』は、アーケードゲーム『ワンダーボーイ』のキャラを高橋名人などに差し替えた移植作でした。初代はシリーズ屈指の難易度で、スケボーに乗った際の操作性が難しかったり、初見殺しも多かったりなど、「無理ゲー」としても有名なタイトルでした。
続編が出るたびに難易度が下がっていき、最後の『高橋名人の冒険島IV』はアクションRPGになって、シリーズのなかでもクリアしやすいといわれています。残念ながら「高橋名人の冒険島」シリーズは「Nintendo Switch Online」で配信されていません。4作にわたって発売された人気シリーズなこともあり、「初代からIVまで揃ったコレクションとして発売しないかな」「個人的にIVは初心者でもやれるし、やり応えもあるので配信してほしい」といった期待の声もあがっています。
1994年、最後の年にに発売されたファミコンソフトのなかで、印象に残っているタイトルはあったでしょうか。