西郷真央が手本にする“270ヤード飛ばす女子プロ”とは?現地カメラマンが取材

ニュースだけじゃ伝わらない米女子ツアー選手たちの魅力を、現地カメラマンがレポートします! 

7月27日に行われた米女子ツアー「CPKC女子オープン」の第3日で、西郷真央がスコア61を叩き出して3位タイにランクイン。そんな優勝争いをしている彼女のストーリーを紹介する。

一歩ずつ着実に上を目指す米ツアールーキー

米ツアールーキーの西郷真央は研究熱心だ。アメリカに渡る前から米ツアーのいろいろな選手のスイング動画を見て、勉強していたという。「一番よく見ていたのはマデリーン・サグストロム選手。はじめて出場した米ツアーの試合(22年の全米女子オープンの第1ラウンド)で同組になった選手です」。

サグストロムはスウェーデン出身の31歳。2020年に米ツアー1勝をあげ、ドライバーの平均飛距離は270ヤードを超える。だが、西郷はそのパワーに惹かれたわけではない。

「ボールへの力の伝え方がすごくうまくて『私もこういうふうに打ちたい』という動きをしていました」。効率よく力を伝えること、それこそ西郷が目指すスイングだ。「ボールにスピードが乗っていてよく飛びますし、今も彼女の動画を見て勉強させていただいています」。

その理想のスイングには「正直、全然近づいていない」と辛口な評価をくだした。「練習時と試合時のスイングに違いを感じていて、まずは練習時のスイングを試合でもしっかりできるようになりたいです」。


西郷が手本にする「ファウンダーズカップ」でのマデリーン・サグストロム。
彼女は日本のラーメンが大好きらしい

米ツアーを主戦場としたことで、スイングの上達だけではなく、グリーンまわりの技術面など新たに取り組みはじめたことがある。食事面もそのひとつだ。食わず嫌いが多いという西郷は、アメリカでの食事をすごく心配していた。米ツアーの選手食堂はビュッフェ形式だ。

そこで、嫌いな食材じゃなければ “とりあえず1度食べてみる” ことを試みている。「バランスをみながら摂取することを心がけていたら、日本で毎食外食していたときより、いいバランスで食事をとれている気はします」と、心配は必要なかったようだ。

シーズンの約半分が終了した5月25日の時点で、西郷はCMEポイントランキング53位につける。「アイアンショットの精度ならトップ選手に劣っていないと思います。ほかの足りない部分や欠けている部分を急がずに積んでいけたらな」と、一歩ずつ着実に上を目指していく。

いかがでしたか? 西郷選手の今後の米ツアーでの活躍に注目しましょう!

西郷真央 Mao Saigo
●さいごう・まお/2001年生まれ、千葉県出身。22年ダイキンオーキッドレディスで国内ツアー初優勝。23年伊藤園レディスで6勝目をあげ、24年から米ツアーに参戦。JMイーグルLA選手権8位など、好成績を残している。

●みなみ・しずか/東京都出身。2009年より米女子ゴルフツアーを取材。ゴルフ雑誌や「ナンバー」「Sports Illustrated」などスポーツ誌に写真を提供。

写真=南しずか
PHOTO&TEXT Shizuka MINAMI