大屋夏南<連載コラム>第2月曜日更新モデルの大屋夏南がありのままに自由でいるためのカナ的イズムを書き綴る♡
大屋夏南の新エッセイ本「It’s OK」発売中。ポジティブに生きるヒントが詰まった1冊です。
失敗するリスクと上手くいく可能性/夏南の法則Vol.127
先日、夫と一緒にナチュラルワインが飲めて美味しいご飯が食べられる立ち飲み屋に行きました。
店内は程よく混んでいて、元気のいい店員さんが綺麗な色をしたワインを注いでくれました。ここは予約を取らないので、少し早めの時間からふらっと行ってサクッと飲んで帰るのに丁度良く、よくお世話になっています。
この夜、私たちの隣では外国人の男性が1人で飲んでいました。最初は待ち合わせかなと思ったけど、誰かを待っている様子はなく、しばらく経っても誰も現れなかったので声をかけてみました。
話を聞くと今回が初めての日本で、少し休みができたから1人で遊びに来たとのこと。そして友達に勧められて初めて訪れたお店が美味しくて感動していると言いました。
ナチュラルワイン好き同士ということで話が盛り上がり、そこから派生していろいろな話をしていたら夫と好きなものが似ていたので、すぐに打ち解けて仲良くなりました。
まだ数日滞在が残っていると聞いて我々のおすすめスポットをたくさんシェアし、なんだったら一緒に行こうよ!となり、後日、素晴らしい音響で音楽を聴きながら美味しいお酒を飲めるバーにもう1人私の友達も連れて4人で行きました。
見ているこっちが嬉しくなってしまうほど彼は楽しそうにしていて、「僕の住む街に来た時は必ず案内させてね!」と言ってくれました。
出会いとは不思議なものです。大人になると学生の頃のように友達を作るのが難しくなると多くの人が感じていると思うけど、一方でこんな風に自然と人と繋がる瞬間もあります。
それはきっと世間で言う「縁」という類いのもので、いろいろなタイミングや幸運が重なった時に訪れる。
こんな風に物事が不思議なほど上手くいって良いことが起こる時、私は人生から「いい波に乗っているよ」というサインが送られてきているような気がします。そして、それに背中を押されてまた何か行動を起こしてみようと思うのです。
年齢を重ねるとどんなことに対しても失敗するのが怖くなってあれこれ考えすぎてしまい、初めの一歩が踏み出しづらくなります。たとえ、それがニコッとして挨拶をするといったシンプルなことだったとしても。
自分で行動を起こす時は多かれ少なかれ必ず失敗するリスクが生まれます。でも、それと同時に良いことが起こる可能性も生まれている。それを自分がリスクをとっていると思うか、可能性を生み出していると思うか。物事は捉え方次第でいかようにも変わっていきます。
どうせなら自分が得して、辿り着きたいところに近づけるような選択をしたいものです。
日本を気に入ってまた来てくれるといいな。私たちも近いうちに彼の住む街へ遊びに行こう。そう思いながら、彼の乗ったタクシーに2人で大きく手を振った。
良い夜をありがとう。
大屋夏南
1987年生まれのブラジル出身。17歳でモデルデビュー、数々の人気雑誌やファッションイベントに出演。
また、私服、美容情報など彼女のライフスタイルがいち早くチェックできるインスタグラム、YouTubeなどのソーシャルメディアはもちろん、スタイルブックや旅エッセイガイドを出版するなど幅広く活躍中。