『ONE PIECE』に登場する「五老星」は、世界政府の最高権力者であるにもかかわらず、数々の失態ぶりからファンのあいだで「無能説」が唱えられてきました。五老星のさまざまな事実が発覚しつつある「エッグヘッド編」では、彼らの評価はどのように変化したのでしょうか。



『ONE PIECE FILM RED』キャラクタービジュアル  (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

【画像】え…っ? 許せん!こちらが「五老星の実験台」にされた美女です

「無能」説がささやかれる「五老星」、実際は?

※この記事は『ONE PIECE』109巻に未収録分の情報を含みます。ご了承ください。

 マンガ『ONE PIECE』に登場する世界最高権力者である「五老星」は、かねてからファンの間で「無能」とも言われてきました。かつて政府の船に護送させるほど重要な「ゴムゴムの実」を「シャンクス」率いる「赤髪海賊団」に奪われ、さらにその後、主人公「モンキー・D・ルフィ」が「ゴムゴムの実」を食べたにもかかわらず、彼の存在をずっと放置していたことや、電伝虫での会話で彼らの上にいる秘密裏の権力者「イム様」の存在を匂わせてしまったことなどが挙げられます。

 その五老星は、最終章の「エッグヘッド編」で新たな真実が次々に判明しました。ファンからの評価を上げることはできたのでしょうか。

 コミックス109巻第1110話では、五老星全員が「牛鬼(ぎゅうき)」や「馬骨(ばこつ)」などの怪物に変身し、異常なまでの強さを発揮しました。彼らの変身を目の当たりにし、どんな攻撃も効かない姿を見た多くのファンは「変身後の力が強すぎる!」「マジもんの怪物じゃん……」「それぞれの変身後のデザインがすごい好きだし、恐ろしさが伝わってくる!」など、変身後のただならぬ雰囲気や戦闘能力の高さを評価しているようです。変身した状態で5人そろった際の、見開きページのかっこよさも話題となりました。

 しかし「サンドワーム」に変身した「シェパード・十・ピーター聖」が、変身直後にもかかわらず、ルフィたちを助けに来た巨人族「青鬼のドリー」と「赤鬼のブロギー」によって首を斬られてしまうシーンが大々的に描かれ、ファンからは「早々に斬られて……弱すぎない?」などとがっかりされてしまいます。死なないからこその油断でしょうが、あまりにも早い敗北描写でした。

 ほかの五老星の面々も、「エッグヘッド編」で数々の失態を犯しています。何よりも、彼らは「Dr.ベガパンク」が自分の死後に放送されるよう仕組んだ世界配信を、5人がかりでも止めることができませんでした。

 ベガパンクの配信のなかでは「この世界は……海に沈む」などの衝撃的な事実が次々に明かされてしまい、政府にとってはかなり不都合な状況になってしまったのです。ベガパンクが「Dの一族」について語ろうとしていたところで、映像電伝虫を搭載していた鉄の巨人「エメト」を海に沈め一時的に配信を止めることに成功しますが、エメトが復活すると配信は続いてしまいました。

 さらに、第1118話では、「ジュエリー・ボニー」が「トシトシの実」の能力を使って、ルフィと同じように「ニカ化」します。この展開に、ファンのあいだでは「ストーリーの見せ方として最高で、感動が止まらない!」など大きな反響があったものの、五老星にとっては悩みの種が増える結果になったのではないでしょうか。

 また、そもそもの原因をたどれば、この事態は「ジェイガルシア・サターン聖」が赤ん坊だったボニーに「トシトシの実」のエキスを与えて能力を得られるか、という実験をしたことに起因します。

 サターン聖はそのほかにも、コミックス109巻第1107話にて、「黒ひげ海賊団6番船船長」の「カタリーナ・デボン」に触れられました。デボンは相手に変身できる「イヌイヌの実 幻獣種 モデル『九尾の狐』」の能力を持っており、おそらく今後サターン聖に化けるために触ったものと思われます。

 うかつに彼女に触れられてしまったことも、重大なミスといえるでしょう。「四皇」黒ひげ海賊団の幹部が世界最高権力者のひとりに変身できるようになれば、政府にとってはかなり危険な事態です。

 エッグヘッド編に入って高い戦闘力を持っていることが判明するも、配信も止められず、「麦わらの一味」にも逃げられるなど、結果を出せない五老星たちに「イム様から今後制裁受けないか心配です」「もう『無能星』って読んでいいですか」など、「無能説」を強めたファンも多くいるようです。

 ただ、五老星の一員で「馬骨」に変身した「イーザンバロン・V・ナス寿郎星」については、「かっこいい」というファンの声が多く見受けられました。ナス寿郎星は手練れの剣士であり、第1117話では、彼の持っている剣が名刀の「鬼徹」だと思われる場面も描かれています。彼は五老星のなかでも、特に強者感が強調され、人気が高まったキャラクターといえるのではないでしょうか。

 また「それぞれが自分にできることをして、敵を阻止しているのは有能。熟練のチームワークだと思う」と、五老星のチームワークの有能さを支持する声もありました。

 それぞれの個人名、能力が明かされ、五老星が敵キャラとして以前よりも注目度が俄然高まったのは間違いないでしょう。彼らがどんな攻撃でも死なないのはなぜか、怪物に変身できる力が悪魔の実によるものなのか、なぜ魔法陣のようなものから出てきたのかも不明で、強敵かつ謎も多く、最終章における要注目キャラとして今後の活躍に期待したいところです。

「エッグヘッド編」は1121話でひと段落したと思われますが、五老星たちはイム様のいる「パンゲア城」に戻るのか、その後どうするのか、変身後の五老星たちの姿を見てしまった現場の海兵たちはどうなるのか、など気になる点も多く1122話以降も要注目です。