数多く公開されているマンガやアニメの実写作品には、原作を忠実に再現するあまり、激しい描写が盛り込まれ、R指定に区分された作品もありました。なかには過激すぎて直視できなくなるようなシーンもあるため、グロ耐性のない人の視聴は危険かもしれません。
映画『殺し屋1』DVD(パイオニアLDC)
【画像】え…っ?殺害シーンも過激な濡れ場も? こちらが衝撃の描写でR指定となった実写映画作品です(8枚)
R指定でノリノリの悪役を演じたイケメン俳優
人気マンガやアニメの実写作品は、内容によって年齢制限が設けられる場合があります。なかには、原作の過激シーンを忠実に再現するあまり、「R指定」と判断された実写映画もありました。
『東京喰種トーキョーグール【S】』
大人気マンガ『東京喰種トーキョーグール』(原作:石田スイ)は、2017年から実写映画が2本作られています。本作は人を喰らう怪物「喰種(グール)」が潜む東京を舞台に、喰種と喰種せん滅を目指す「CGC(喰種対策局)」との戦いを描いた物語です。
実写1作目は、そこまではっきりとした殺傷シーンを映さなかったことでPG?12指定になっていたものの、2019年に公開された実写2作目の本作では、喰種が人肉を食べるシーンなどが描かれており、R15+指定の制限がかけられました。
本作は、原作でも強烈なキャラクターで「食事」に対して強いこだわりを持つ喰種の「月山習(演:松田翔太)」がフューチャーされ、1作目に比べて捕食シーンが多く盛り込まれています。
たとえば、作中冒頭シーンでは月山が美しい目をした女性モデル「マーガレット(演:マギー)」の目をくり抜いて、食べてしまう描写があったほか、喰種が人間を食べる「喰種レストラン」に主人公「金木研(演:窪田正孝)」を招き入れる場面では、多くの喰種の前で人間がナイフで解体される描写がありました。血だらけの切断された足などがはっきりと描かれているため、鑑賞するには少し注意が必要です。
また、マンガでも強烈だった月山が「ハンカチを嗅ぐ」場面では、松田さんの恍惚とした表情の怪演が見られ、少し色気も感じてしまうような危ういシーンとなりました。
『隣人13号』
井上三太先生の同題マンガを原作とした『隣人13号』は、2005年に実写映画化され、小栗旬さんが主演を務めています。
主人公「村崎十三(演:小栗旬)」が少年時代に受けたいじめをきっかけに、凶暴な別人格「13号(演:中村獅童)」が彼のなかに宿り、いじめの主犯格だった「赤井トール(演:新井浩文)」に復讐をするサイコスリラー作品です。
いじめや二重人格を題材にした本作の見どころは、なんといっても13号の凶暴性でしょう。気弱な性格の十三と正反対の13号は、アパートの隣人をナイフでめった刺しにしたり、遊園地のトイレで半グレを腸が見えるほど殴り殺したりと、十三自身も13号を制御できません。
グロテスクな殺害シーンや、ゴキブリを無理やり食べさせられて吐く場面など、鑑賞するのがつらくなる描写が多くあり、R指定も納得の内容になっています。13号を演じた中村さんの怪演は素晴らしく、記憶に残った人も多いのではないでしょうか。
『殺し屋1』
「週刊ヤングサンデー」(小学館)で連載された『殺し屋1』(原作:山本英夫)は、2001年にR18+指定の作品として公開されました。
本作は、物語の主人公で殺し屋の「城石一(演:大森南朋/通称:イチ)」を擁する新宿歌舞伎町の「はぐれ者グループ」と、痛みで性的快感を覚えるヤクザ「垣原雅雄(演:浅野忠信)」暴力団「垣原組」との攻防を描いた、バイオレンス作品です。
裏社会を題材にした本作は、過激で衝撃的なシーンが連続しました。たとえば、イチによって女性にDVを振るう男性が体を真っぷたつにされたり、敵対している組織の舎弟たちの身体をバラバラにしたりと、目を背けたくなるグロテスクなシーンが満載です。
過激な場面が多く盛り込まれているものの、制作時には再現する描写について慎重に精査されていました。垣原が針を使って人体を破壊する場面や、女性に対する陰惨な性的暴力の描写は削られています。
本作の脚本を務めた佐藤佐吉さんはX(旧:Twitter)にて、当時のことを振り返っています。佐藤さんは「R指定をなるだけ回避すべく脚本段階で具体的にどの描写がひっかかりそうか映倫チェックを受け、露骨で無邪気な暴力や性描写には極力気を使ったにも関わらず『映画自体が反社会的』との理由で結局R18。だったら犯罪映画は全部R18だろが!と当時も今も憤ってる」と映倫の審査に対して不満を吐露していました。