そんな人にオススメなのが、公開されているGPIFのポートフォリオを真似することだ、とファイナンシャルプランナーの松尾光剛氏はアドバイスする。

GPIFが運用している株式のメインは指数に連動しているインデックス投資というものになります。このポートフォリオをそっくりそのまま真似してみてはいかがでしょう。もちろん、45兆円という収益は無理ですが、GPIFと同じように投資することで、ほぼ同じ結果が期待できるはずです。短期間で大きな利益を得ようとするアクティブ投資家や個別の株に投資するようなプロ・セミプロの方からすれば、つまらない運用方法かもしれませんが、老後資金を作り出すことを考えているなど、長期的な投資を考えているならば、ぜひ真似してみてほしいですね」

 老後資金の根幹とも言える年金制度。そして、その年金制度を支えているGPIFの過去最高収益にあやかりたい、という人はGPIFのポートフォリオをチェックしてみよう。

 最後にGPIFの今後について、専門家2人の意見を聞いた。

「当然ながら、株式市場には乱高下があります。ただ153兆円もあるGPIFの収益が一気にゼロになる、ということは考えられません。しかも比較的安定した収入源であるインカムゲインも多いですからね。もし、株価が下落したとしても、必ず株価は戻って、さらに高くなるはずです。これまでの歴史を見て、そう判断できます」(元証券ディーラーで投資家兼経営者のたけぞう氏)

 一方、松尾氏はこう語る。

GPIF設立の目的通り、人口減少・少子高齢化に伴って、積み立てた収益を取り崩す時期がやってきます。GPIFによれば、2070年からそれが始まる試算です。もちろん、日本の経済成長次第で取り崩しが先延ばしになる、早まる可能性もありますね。年金は日本国民であれば、すべての人の課題です。今後も年金・GPIFを気にしてみて、情報収集してみてください」

 折しも、今年1月からスタートした新NISAで、初めて株式投資を始めた人でもかなりの収益が出ているという。“銭は急げ”で見習う価値はありそうだ。

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