ペナントレースが佳境に突入し、甲子園も間もなく開始と野球シーズン真っ盛り! しかし野球マンガはその誕生から現在までオフシーズンなく盛り上がり続けています。今回はそのなかから一番人気を探る読者アンケート「あなたにとってのNo.1野球マンガは?」を実施します。



『巨人の星』第1巻 原作:梶原一騎、著:川崎のぼる(講談社)

【画像】野球マンガだけじゃない? こちらが大谷翔平の愛読書です(5枚)

多数ある野球マンガの代表作候補

 多くのスポーツには、象徴となるようなマンガが存在します。サッカーなら『キャプテン翼』、バスケットボールなら『SLAM DUNK』、バレーボールなら『ハイキュー!!』……アメリカンフットボールの『アイシールド21』や、カバディの『灼熱カバディ』のような、ナンバーワンどころかオンリーワンの存在感を放つ作品もあります。

 しかし野球はどうでしょうか? 『巨人の星』や『ドカベン』から始まり、年代によっては『タッチ』『MAJOR』『ROOKIES』『おおきく振りかぶって』、最近では『バトルスタディーズ』『忘却バッテリー』などを挙げる人もいるでしょう。つまり名作が多過ぎるのです。

 これだけ野球マンガの層が厚いのは、やはり日本が世界でも屈指の「野球の国」であり、多くのマンガファンに受け入れられてきたからでしょう。それだけにひと口に「野球マンガ」と言ってもその内容はバラエティに富んでいます。

目指すはやはり甲子園! 高校野球マンガ

 人気野球マンガでも特に多いのが高校野球を扱ったものです。今年も8月7日から始まる全国高等学校野球選手権大会……夏の甲子園は日本の夏における風物詩となっており、それを目指すという分かりやすさ、トーナメントという試合形式とマンガの相性の良さ、そして学生らしい青春模様などが魅力につながっているのかもしれません。

 なお野球マンガには『ドカベン』や『MAJOR』のような複数の年代を扱う大河ドラマ的な長編もありますが、それらの作品でも高校野球を扱ったシリーズが一番面白い傾向にある……と感じるのは筆者だけでしょうか?

お金の要素もからみ始めるプロ野球マンガ

 先日のオールスターゲームも盛り上がった、プロ野球を舞台にした野球マンガも多数あります。残念ながら実在する選手が登場することは稀ですが、少年野球から高校野球までとはひと味違った戦いが繰り広げられます。

『グラゼニ』や『ONE OUTS』など、お金の要素が大きくからむのがプロ野球を舞台にした作品ならではでしょう。またプレイヤーだけでなく、スカウト活動やドラフト会議を扱った『ドラフトキング』のような裏方がメインとなる作品も生まれています。

意外と多い、女性が主人公の野球マンガ

 ここまで挙げた作品の多くは男性が主人公ですが、水島新司先生の『野球狂の詩』に登場する「水原勇気」を始め、女性プレイヤーを扱ったマンガも意外とあります。

 アニメ化もされた本格派の『球詠』に大正時代を舞台にした『大正野球娘。』、男女混合チームで活躍する女子を描く『高校球児 ザワさん』など内容も幅広く、掘ってみると面白いジャンルです。

あなたが一番好きな野球マンガは?

 ここまで挙げたのはあくまで一部で、「このマンガがすごい!2024」オトコ編で1位になった『ダイヤモンドの功罪』のような少年野球を扱ったものや、球場で応援する女性たちにスポットをあてた『球場ラヴァーズ』など毛色の違う作品はまだあります。

 パリオリンピックで世界中のスポーツファンが盛り上がるなか、残念ながら野球は競技として採用されていません。しかし、日本では野球が行われており、もちろん面白い野球マンガも数え切れないほどあります。この夏は、読者の皆さんも一番好きなマンガを振り返ってみてはいかがでしょうか。