年齢を重ねるとあらわれてくる、目元の小じわ、増えるしみ、口元のたるみ……。

老化は避けられませんが、それでもできるだけ若々しく、健やかな肌を保ちたいですよね。

そこで、この記事では、肌老化のメカニズムと対策について皮膚科医の鶴町宗大先生とあんしん漢方薬剤師の木村英子さんに徹底解説していただきます。

肌老化とは

出典:Pixabay

ファンデーションが小じわにたまるようになった……疲れていないのに、顔が疲れているように見える……30歳を過ぎたころから、このような肌の老化を感じ始める人も多いのではないでしょうか。

肌老化の主な原因のひとつは「ターンオーバーの乱れ」です。

ターンオーバーとは、皮膚の一番外側の表皮が新しい細胞に生まれ変わるサイクルのこと。

このサイクルが乱れると、肌の再生サイクルが遅くなり、肌のツヤが失われ、くすみや肌荒れ、乾燥といった肌の老化が起こるのです。

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肌老化ででる症状

出典:Unsplash

肌老化の主な症状は、しわ、しみ、たるみなど。

では、何が原因となって、これらの症状が肌にあらわれるのでしょうか。

しわ

しわは、皮膚を構成する「表皮」と「真皮」の層が、年齢とともに変形することであらわれます。

表皮に発生するのが「小じわ」、真皮に発生するのが「深いしわ」です。

小じわの主な原因は乾燥。

乾燥が続いて肌がダメージを受けても、通常であれば表皮のターンオーバーで改善しますが、慢性的に乾燥が続くと、小じわができてしまいます。

また、深いしわは、加齢によって真皮のコラーゲンやエラスチンが減少することであらわれます。

しみ

しみの主な原因は紫外線です。

紫外線を浴びた肌では、表皮内のメラノサイトという細胞がメラニンという色素を生成し、日焼けによるダメージから細胞を守っています。

肌のターンオーバーが正常であれば、このメラニンは役割を終えたあと、肌の外に押しだされてはがれおちますが、ターンオーバーが乱れるとメラニンが肌に沈着し、しみとなります。

さらに、たばこやストレス、不規則な生活は、老化を促進させる原因のひとつである活性酸素を増やし、しみの原因となるメラニン過剰産生や排出の遅れを引き起こします。

たるみ

肌のたるみは、肌の弾力が低下することによってあらわれます。

主に関係してくるのは肌の真皮。

真皮を構成するコラーゲンやエラスチンなどの線維が、加齢とともに減少し、真皮が薄くなることで肌の弾力が失われ、たるみとなってあらわれるのです。

また、糖化といって、食事などから摂取した余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて細胞を劣化させることも、コラーゲンの質を低下させ、たるみの原因となります。