人気格闘技マンガ「刃牙」シリーズは熱いバトルがメインですが、笑えるシーンも多く存在し、笑いでも読者を楽しませています。「刃牙」シリーズで爆笑した場面を振り返ります。
勇次郎の「エフッ」の場面。『範馬刃牙』3巻より(秋田書店)
【画像】え…っ? 「水の上走っとる」「ジャックのクシャ顔やば」 こちらが『刃牙』爆笑場面です(8枚)
最新作でも再現された勇次郎の爆笑シーン
人気格闘技マンガ「刃牙」シリーズは、バトルが中心に描かれているものの、昔から「意外と笑える場面が多い」という意見もあります。実際に「勇次郎の顔芸」など、明らかに笑いを取りにいっている場面も多く、そこを楽しみに読んでいる方も多いのではないでしょうか。「刃牙」シリーズで、多くの読者が爆笑したシーンを振り返ります。
勇次郎の爆笑『範馬刃牙』
「刃牙」シリーズにおいて、分かりやすく笑える場面で真っ先に挙げられるのが「範馬勇次郎」の「顔芸」です。シリーズの人気キャラで主人公の父である勇次郎は、喜怒哀楽それぞれで多様な顔芸を披露しており、そのなかでも彼の見せた爆笑は常人とはかけ離れており、多くの読者に特大のインパクトと笑いを提供しました。
第3部『範馬刃牙』で勇次郎は友人の「ストライダム」から、息子の「刃牙」が「地上最強の親子喧嘩」を前に「想像上の100kgの巨大カマキリ」と戦ったことを聞くと、目を見開き顔を震わせながら、「エフッエフッエフッ」という奇妙な音を発し始めました。そして、次のコマで、勇次郎は「机を引き裂きながら」爆笑し始めます。
なんと「エフッエフッエフッ」は、勇次郎がこらえきれず漏らした笑い声だったのです。この時に見せた「顔芸」もさることながら、独特すぎる笑い声はインパクト抜群で、多くのネタ画像がSNSにあふれました。
また、現在連載中の『刃牙らへん』では、勇次郎と彼のもうひとりの息子である「ジャック・ハンマー」の会食が描かれ、またも勇次郎が「エフッエフッエフッ」からの爆笑を披露しています。多くの読者が、笑いとともに懐かしさも感じる場面になったのではないでしょうか。
そのほか、「勇次郎がピクルがいる部屋の強化ガラスを顔面で突き破る場面」「勇次郎が本部に『守護る』と言われて泣くほどキレた場面」など、勇次郎の顔芸は何度も読者を沸かせてきました。
烈海王の水面走り『バキ』
「刃牙」シリーズの人気キャラである「烈海王」は、第4部『刃牙道』で死亡し、本編からは惜しまれながら退場したものの、多くの印象的な場面を残しています。そして、そのなかには、本人は大真面目ながら爆笑してしまうほど面白い場面もありました。
第2部『バキ』の「最凶死刑囚編」で、死刑囚のひとりである「ヘクター・ドイル」と戦った烈海王は、「なんでもあり」の壮絶な戦いでドイルを追い詰めますが、ジャックの介入で気を失います。意識のない烈海王を前にしたドイルは、初めて自分を負かした相手への複雑な感情から、自身も瀕死の状態でありながら夜を徹して彼を守り抜きました。
目覚めた烈海王は、危険な状態のドイルを救うため、彼を背負って医療施設へと走りました。その途中に川があることに気づいた烈海王は、「問題はない!!15メートルまでなら!!!」と言い放ち、ドイルを担いだ状態で川の水面を走り、沈むことなく渡り切ったのです。
「人は水面を走れない」という常識をあっさり覆した烈海王に、多くの読者が「そうはならんやろ」とツッコミを入れたのではないでしょうか。リアル路線の格闘マンガである「刃牙」シリーズでやるからこそ、最高に面白く、思わず吹き出してしまう場面です。
ジャック・ハンマーのくしゃ顔『刃牙道』
クローン技術と降霊術で蘇った江戸時代の剣豪「宮本武蔵」と、現代の格闘家たちとの闘いが描かれた第4部『刃牙道』では、ジャック・ハンマーが勇次郎に負けず劣らずの顔芸を披露しています。
宮本武蔵とのバトルを望むジャックは、それを無謀と言い張り阻止しようとする実戦武術家「本部以蔵」と、夜の公園で相対しました。「なんでもあり」の戦いに不慣れなジャックを、本部は短刀やクナイなどを駆使して優位に立ちまわります。そして、ジャックの得意の噛みつきも、アラミド繊維で作った防刃ジャケットで封じ、ジャックの歯の大部分を引き抜いたのです。
最大の武器である「歯」を奪われたジャックは、あまりの悔しさから顔をゆがめますが、歯がないためか、その顔は目、鼻、口が顔の中央に集まった「くしゃ顔」になっていました。この「くしゃ顔」は、1970年代にTVで活躍した「クシャおじさん」のオマージュだと思われます。強面のジャックがどこかかわいらしさもある「くしゃ顔」を披露することでギャップも生まれ、かなり笑える場面になっていました。