もしメガロドンが生き残っていたら……


メガロドンが海に出た人間を襲う? / credit:Pixabay

前述のとおり、メガロドンはその巨体で泳ぎ回るために代謝によって体温を高めています。

つまり、生きるために常に多くのカロリーを必要とするサメです。

メガロドンは高緯度帯に棲み、クジラなどを食べるサメですが、現代に生き残っていたとしたら、その貪欲な性質から食料を求めて活動範囲を広げていたかもしれません。

そして、今推察されているメガロドンの遊泳速度はあくまで冷たい水を前提としたもの。

低緯度帯の暖かい水の中ならホホジロザメよりはるかに俊敏に泳ぎ回れる可能性があります。

そうなればありとあらゆる海洋資源がメガロドンの餌食になり、人間にとっても海の大きな脅威となっていたかもしれません。

参考文献

Tiny scales reveal Megalodon was not as fast as believed, but mega-appetite explains gigantism
https://resources.depaul.edu/newsroom/news/press-releases/Pages/megalodon-scales-2023.aspx

Is Megalodon alive? How we know the biggest shark is extinct
https://www.zmescience.com/feature-post/pieces/is-megalodon-alive-or-extinct/

元論文

Tessellated calcified cartilage and placoid scales of the Neogene megatooth shark, Otodus megalodon (Lamniformes: Otodontidae), offer new insights into its biology and the evolution of regional endothermy and gigantism in the otodontid clade
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/08912963.2023.2211597

Endothermic physiology of extinct megatooth sharks
https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2218153120

ライター

いわさきはるか: 生き物大好きな理系ライター。文鳥、ウズラ、熱帯魚などたくさんの生き物に囲まれて幼少期を過ごし、大学時代はウサギを飼育。大学院までごはんの研究をしていた食いしん坊です。3人の子供と猫に囲まれながら、生き物・教育・料理などについて執筆中。

編集者

海沼 賢: ナゾロジーのディレクションを担当。大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。