パリ五輪の追加競技として初採用されたブレイキン(ブレイクダンス)。日本からは、Bボーイ(男子)に今大会で旗手の大役も務める半井重幸(Shigekix)と最高難易度の技『ワンハンドエルボーエアー』が武器の若き逸材・大能寛飛(Hiro10)が登場。Bガール(女子)には25歳の湯浅亜実(AMI)とベテランの福島あゆみ(AYUMI)が出場する。
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そんな五輪初採用となるブレイキンの気になる評価基準について、米メディア『AP通信』は「ブレイキングがついにオリンピックに初登場。競技者はどのように審査されるのだろうか?」と題した記事を配信。「ブレイクダンスは、昨年50周年を迎えた。国際大会も20年前から開催されており、2018年のブエノスアイレス・ユース五輪では若い世代の視聴者の間で大きな反響を呼んだ。それでも、パリ大会でブレイキンが行なわれる、最後の数日間を視聴する多くの人々は、新採用の競技に懐疑的なままだ」と厳しい状況を伝えた。
また米大手メディア『NBC』のブレイキン解説者のひとりで、選手、審判、指導者としても活躍するロニー・アバルドナド氏(通称:B-Boy Ronnie)は同競技に対する世の中の認識について、「批評家たちは、未だに80年代のものだとか、流行っているだけのものだと誤解していると思うし、どれだけ進化しているのかわかっていないと思う」と言及。「(五輪の)大舞台でその壮観さとスキル、そして難易度の高さを目の当たりにすれば、否定できないものになるだろう」と同メディアで語った。
さらに同メディアは、新種目・ブレイキンは「心と身体と魂をつなぐ芸術である」と表現。同競技は、男女それぞれ16名の選手が1対1で直接対決し、各選手が自らの演技を披露。それに相手がアンサーを返して行なわれる競技である。
また同競技は「9人のジャッジが『技術性』、『多様性』、『完成度』、『音楽性』、『独創性』の5項目を採点し、各20点」と紹介し、続けて「全体を通して、司会者が解説を行ない、観客を盛り上げる。オリンピック大会の審査員などはまだ公表されていない」と報じている。
ブレイキンの見どころについて、『NBC』のブレイキン解説者・アバルドナド氏は、同メディアで「実際に目で見て、とても魅力的に見えるのは、”エアームーブ”、ヘッドスピン、グランド系パワームーブ。力強さ、コントロール、そしてスピードもまた、視覚的に魅力的だ」と語った。
また同氏は「即興的な要素も必要で、それが『独創性』のスコアに反映される」と話し、「DJが選曲するのだが、選手たちはフロアに出るまで、どんな楽曲で演技するのかは知らされない」と説明した。
最後に同メディアは、審査員がブレイキンの5つの評価基準の内訳を公開した。
・「技術性」
運動能力、フォーム、空間認識に焦点を当てながら、生理的コントロールを維持すること。
・「多様性」
バリエーションに富んだ動きの範囲と、理想的には最小限の反復で行なわれる動きの量。
・「完成度」
転倒や滑落がなく、一貫性と流れを維持しながら、スムーズに着地し、技を行なう能力。
・「音楽性」
音楽のリズムに動きを合わせ、ビートを刻む能力。
・「独創性」
即興性、創造性、スタイルと個性ある自発性を維持する能力。
ブレイキンは現地8月9日に女子、同10日に男子が行なわれる。日本勢の活躍とともに新競技のパフォーマンスに注目が集まる。
構成●THE DIGEST編集部
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