『ONE PIECE(ワンピース)』に登場する五老星の服装といえば、黒スーツに黒ネクタイ、そして黒い靴……と黒尽くし。その姿は、まるで「喪服」のようにも見えます。いったい彼らの服装には、どのような意味が込められているのでしょうか。



画像は五老星が描かれた『ONE PIECE FILM RED』キャラクタービジュアル (C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

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ナス寿郎聖以外は「黒」を基調としたコーディネート

『ONE PIECE(ワンピース)』の五老星にはいまだ多くの謎が残されており、ファンの間では日夜さまざまな考察が行われています。そのなかでも最近注目を集めているのが、五老星の「服装」にまつわる考察です。一見するとただの黒スーツにしか見えない彼らの服装には、何か重大な秘密が隠されているかもしれません。

※『ONE PIECE』コミックス未収録の内容に触れています。ネタバレにご注意ください。

 五老星とは天竜人の最高位にして、世界政府の最高権力者である5人の老人たちのことを指します。うち4人は黒のスーツに身を包んでおり、ノーネクタイの「シェパード・十・ピーター聖」を除く3人に関しては、黒のネクタイに黒の靴というコーディネートです。いずれも混じり気のない黒一色のため、現代人からするとまるで「喪服」のようだと感じてしまうのではないでしょうか。

 一方、五老星のなかで唯一、「イーザンバロン・V・ナス寿郎聖」だけは白い着物を着用しています。こちらは喪服ではなく、どちらかといえば「死装束」のようなイメージです。

 しかし一説によると、日本で黒い喪服が主流となったのは明治時代以降の話で、それまでは白い喪服を着て葬儀を執り行う習慣があったそうです。そう考えると、ナス寿郎聖の白い着物も含めて、五老星は5人全員が喪服を着用していると解釈できるでしょう。

 では、なぜ彼らはこのように不吉な格好をしているのでしょうか。ひとつの仮説としては、五老星が「誰かの喪に服している」という見立てが存在します。その根拠は原作の第1116話、「イム様」が800年前のアラバスタ王国を統治していた女王「ネフェルタリ・D・リリィ」と思われる人物の肖像画を見つめていたことにあります。

 イム様はリリィの名を聞いたとたんに激怒するなど、彼女に特別な想いを抱いている節があります。つまり件(くだん)のシーンで、イム様は「遺影」を見て想いを馳せていたのかもしれません。だとすれば、五老星が喪服を着ているのは「リリィの喪に服すため」と考えられるのではないでしょうか。

 他方で、そもそも喪服ではなく死装束だという解釈もあります。というのも五老星はみな攻撃が効かなかったり、魔法陣で召喚されたりと、化け物じみた挙動を見せています。そこから、「五老星はイム様の能力によって怪物になっている」という説が生まれたようです。もしイム様の能力が死者を操るものだとしたら、5人の服装が死装束であることには大きな意味があるでしょう。

 もちろんいずれも推測の域を出ない話ではありますが、リリィの謎か、イム様の能力が明かされるとき、服装の秘密も暴かれるのかもしれません。