アニメを配信で見るときは、オープニング曲をスキップすることが多いでしょう。しかし2024年夏アニメには、冒頭からじっくり味わいたい作品も多数そろっています。



『逃げ上手の若君』主人公の北条時行は、天下を取り戻すための「鬼ごっこ」に身を投じる (C)松井優征/集英社・逃げ上手の若君製作委員会

【イケナイ表情…】こちらが表情がケシカラン『逃げ若』主人公です

躍動感がすごい! 一瞬たりとも見逃せないOP映像

 2024年夏アニメが放送開始からもうすぐ1か月が経ちます。動画配信サービスでチェックしていると、ついオープニングをスキップしている、なんてこともあるでしょう。

 しかしSNSで話題となった『しかのこのこのここしたんたん』のように、オープニングに魅力が詰まっている作品はたくさんあります。今回は見逃して欲しくない、オープニングがすごい夏アニメを見てみましょう。

 まずは『逃げ上手の若君』です。「鬼ごっこ」がキーとなる作品なだけあり、とにかく元気に動き回るキャラクターの作画が魅力的です。特にサビの部分では、主人公である「北条時行」の身体能力の高さが堪能できます。

 また、本編では壮絶な運命を辿ったキャラクターが、OPでは音楽に合わせて楽しそうに踊るカットも特徴的です。毎週元気な姿に会えるのがうれしくもあり、つらくもあります。

 レトロ感のある色調も作品に合っていると高評価で、SNSでは「セル画アニメっぽい」「平成の夕方に放送していたアニメのよう」などの意見も見られ、懐かしさを感じさせる仕上がりになっています。

 続いては『【推しの子】』第2期のオープニングです。第1期のオープニング曲「アイドル」(YOASOBI)も話題になりましたが、第2期オープニング曲である「ファタール」(GEMN)では曲調や雰囲気がガラッと変化します。まるでひとつの舞台を見ているかのような演出が特徴的です。

 第2期では、主人公の「アクア」が2.5次元舞台「東京ブレイド」に出演します。それに合わせて、オープニング映像でも演劇関係の舞台装置がふんだんに使われていました。スクリーンの幕が開きアクアと双子の妹「ルビー」が巨大な階段をのぼる場面、伝説のアイドル「アイ」との思い出を客席から見つめる関係者たちなど、舞台上の役者と観客の視点が次々と切り替わる演出も見どころです。

 ラストでは、アイが客席からカーテンコールを見守るシーンが描かれます。その映像に「最愛のファタール」という歌詞が重なるのも意味深です。「運命の女性」や「魔性の女性」という意味を持つ、フランス語の「ファム・ファタール」。それが誰から誰に向けられた言葉なのか、オープニング映像を見ながら考察してみてはいかがでしょうか?

 オープニング映像は、キャラクターの魅力や、本編では語られない物語の本質が見えてくることも少なくありません。配信や録画をチェックするときもスキップせず、本編とともに味わってみて下さい。