最後のひと蹴りに対して、大きく意見が分かれているようだ。
現地8月7日、パリ五輪・テコンドーの男子58キロ級決勝が行なわれ、韓国のパク・テジュンが優勝を飾った。ガシム・マゴメドフ(アゼルバイジャン)を圧倒し続け、終盤に相手が棄権したため勝利が確定。初の五輪に臨んだ20歳が見事金メダルを獲得した。
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物議を醸したのは、まさに“ラストキック”だった。試合残り1分、13―1と大きくリードしていたパク・テジュンの放ったキックがマゴメドフの大腿部を捉える。痛みで苦悶の表情を浮かべて背中を向けたマゴメドフに対して、パク・テジュンはトドメとばかりに襲い掛かり、背中に押し出すような痛烈なキックをお見舞いした。
マットの外に出てうずくまり、マウスピースを外したマゴメドフ。ニュースメディア『OSEN』によると、容赦ない追い打ちに観客席から大ブーイングが巻き起こったという。さらにパク・テジュンの公式インスタグラムにはアゼルバイジャン人を筆頭に海外のファンから非難する声が殺到。「怪我をした相手を蹴るなんてふざけるな!」「韓国人選手は礼儀知らずだ」「あのキックが不必要だろ」といったコメントが書き込まれた。
韓国のファンも黙っていない。同じメッセージ欄に反論を展開し、「途中で競技をやめるほうが相手に失礼だ」「どこがマナー違反なのか分からない」「全力で戦ったパク・テジュンに非はない!」と一歩も譲らない。まさかの場外戦で激しい論争が繰り広げられた。
とはいえ、周囲の喧噪をよそに両選手の間ではスポーツマンシップが成立し、和やかなムードが漂った。
手厳しい蹴りを入れたパク・テジュンながら、その後の紳士的な振る舞いが称賛されているのも事実だ。ニュースメディア『NEWSIS』は「パク・テジュンは苦しむマゴメドフを心配し続け、彼がマットを降りるまで歓喜のセレモニーを行なわなかった。両選手は笑顔で会話を交わし、マゴメドフは会見でパク・テジュンが最後まで集中を切らさなかったのは当然の行為だと認めている」と伝えた。
そして試合後にパク・テジュンは「審判が『待て!』と宣言してから蹴れば反則だけど、それまでは攻撃を続けるのが定められたルールだ」と正当性を主張。そのうえで「僕はあらためて学んだ。相手が諦めるまでベストを尽くすのが相手に対する礼儀だ」と話し、マゴメドフには「申し訳なかった」と謝罪の言葉も述べたという。表彰式では足をひきずるマゴメドフに肩を貸す場面が何度かみられた。
構成●THE DIGEST編集部
【画像】心和む一枚…表彰式で歩行困難なマゴメドフにパク・テジュンが肩を貸した場面
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