セーヌ川の汚染対策は“炭酸飲料”? 「レース後に飲んで体内の細菌を洗い流す」選手たちの間でブームも「科学的根拠は…」【パリ五輪】

 汚染が問題となっているセーヌ川を会場に、男女のトライアスロン、トライアスロン混合リレー、女子オープンウォーター(10キロレース)が行なわれ、現地8月9日には男子オープンウォーターが開催される。

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 こうした競技に出場した選手の間でブームになっているのが、レース後に炭酸飲料をがぶ飲みすることだ。8月7日に米経済紙『Wall Street Journal』が報じた。

「セーヌ川は汚いが、選手には解決策がある。コカ・コーラだ。細菌だらけの河川を勇敢に攻略した世界で最も健康的なアスリートのなかには、レース後すぐに甘い炭酸飲料を飲む選手がいる」

 炭酸飲料の酸性成分が消化器官を通り抜けることで、体内に入ったさまざまな汚染物質を取り除けると信じられているようだ。女子オープンウォーターで銀メダルを獲得したオーストラリアのモエシャ・ジョンソンは、「コカ・コーラの神話は本当です。私たちはレース後、体内のものを洗い流すためにコカ・コーラを飲むことが多いです」と明かし、他の選手も同様に炭酸飲料を飲んでいるという。
  ただ、科学的根拠は乏しいようだ。アメリカ消化器病学会会長マリア・アブレウ博士は同紙に対して、「コーラは健康な胃よりも酸性度が低いため、感染症と闘う力はおそらく加わらないでしょう。選手たちは若くて運動能力の高いスポーツマンですよね。彼らの胃酸は十分に働いていると思います」と語った。

 炭酸による洗浄効果は別としても、糖質によるエネルギー補給と疲労回復は期待できるかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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