ファミコン版『ドラクエ3』の「オルテガ」は、覆面+パンツ一丁+マントという、かなり際立ったビジュアルでした。その記憶が、このHD-2D版『ドラクエ3』で上書きされる日が来るかもしれません。



ファミコン版『ドラクエ3』では、盗賊の「カンダタ」と戦士「オルテガ」の見た目がほぼ同じだった。画像は「ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー カンダタ」

【画像】えっ、ズボン履いてない? こちらが『ドラクエ3』オルテガの新ビジュアルです(4枚)

ファミコン版の印象から一変、「勇者の父」に相応しい姿に

「ドラゴンクエスト」シリーズの最新情報を伝える「ドラゴンクエスト宣伝担当」公式X(旧:Twitter)にて、HD-2D版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の最新情報が公開され、注目を集めています。

 そのなかでも特に話題となっているのが、主人公である勇者の父親、そして勇敢な戦士でもある「オルテガ」です。HD-2D版『ドラクエ3』では、このオルテガの旅路が分かるエピソードが追加され、彼の人柄なども描かれる模様です。

 原点となるファミコン版『ドラクエ3』でも、彼が旅をした足跡や結末などが描かれました。HD-2D版ではオルテガがより深掘りされ、プレイヤーに新たな物語を示してくれるのでしょう。

「半裸マントじゃない!」ファミコンユーザーが驚いた、HD-2D版のオルテガ

 ファミコン版を遊んだユーザーにとって、オルテガは非常に印象深い人物です。主人公と深く関係性を持つ点も重要ですが、なによりも作中のビジュアルが衝撃的でした。

 強敵と戦うバトルシーンで描かれたオルテガの姿は、マスクをかぶった半裸のパンツ姿、そこにマントをなびかせた、覆面レスラーのような出で立ちでした。しかもその姿は、作中に登場した盗賊「カンダタ」とほぼ同じ見た目だったため、勇敢な戦士というよりもアウトローといった風情です。

 そんなオルテガの勇姿は、よくも悪くもファミコン版ユーザーの記憶に刻み付けられました。しかし、HD-2D版オルテガのイメージイラストは、当時のカンダタとは似ても似つかない、背が高く筋骨も隆々な熟練の戦士となっています。

 このデザインに対し、「精悍さが増した」「デザインええやん」「裸マントじゃなくなった」「思っていた以上にムキムキだ」など、好意的に受け止める声が飛び交っています。

 また、だいぶ様変わりしましたが、よく見れば貫頭衣も同然の服装で、その下にボトムスなども履いていないように見えます。そのため、「デザインからはまともになっている……ように見せかけて」と、大胆な装いである点に注目したコメントもありました。

 かつて「ドラクエ」をモチーフに4コママンガを描いていた柴田亜美さんもオルテガのイラストに反応し、「柴田亜美&staff」公式Xにて、「オルテガのイラストが公開されたが、ワタシのオルテガは鼻髭以外は大間違いだった」とコメントしました。

 いずれにせよ、ファミコン版の印象で止まっていた人は、HD-2D版のオルテガに大きな驚きを感じた模様です。

ファミコン版から変わり続けていた、オルテガのビジュアル

 ファミコン版のみを経験したユーザーは、オルテガ=パンツ一丁という印象が根深いことと思います。しかしオルテガのビジュアルは、いくつもの作品で既に変わっていました。

 例えば、海外版(NES版)『ドラクエ3』では青い鎧を身に付け、剣を握りしめたビジュアルで登場しています。また、リメイクされたスーパーファミコン版では、貫頭衣風の着衣を身に着け、斧と盾で武装した姿を披露しました。

 このほかにも、『ファミコン神拳 奥義大全書』や『ドラゴンクエスト 勇者アベル伝説』など多数の作品にオルテガが登場し、いずれもたくましい戦士として描かれています。

 カンダタに似たデザインはファミコン版のみなので、いまとなってはむしろ半裸姿の方が希少な存在といえるでしょう。

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 ドット絵と3DCGを融合させたHD-2Dで、懐かしくも新しく生まれ変わる『ドラクエ3』。その一端を報じた今回の発表だけでも、大きな盛り上がりを見せています。発売日の11月14日までに、どんな新情報が出てくるのか。今後の展開にも期待が高まります。

「ドラゴンクエスト メタリックモンスターズギャラリー カンダタ」:
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