8月17日に開幕するプレミアリーグ、ブライトンの2024-2025シーズンはエバートンとのアウェーマッチでスタートする。
昨季はクラブ史上初の欧州カップ戦(ヨーロッパリーグ)に出場してベスト16進出を果たした一方で、ハードスケジュール等による怪我人の続出がロベルト・デ・ゼルビ監督を悩ませ、最終的にプレミアリーグは11位フィニッシュと、前シーズンの6位から大きく成績を落とす結果となった。
今季、31歳という若きドイツ人のファビアン・ヒュルツェラーを監督に迎え、新戦力にFWのヤンクバ・ミンテ(←ニューカッスル)、イブラヒム・オスマン(←ノアシェラン)、MFのマッツ・ヴィーファー(←フェイエノールト)といった選手を獲得した一方で、昨季まで最多アシスト数を記録したパスカル・グロス(→ドルトムント)やアダム・ララーナ(→サウサンプトン)らが離脱している。
新体制下で新たな時代を迎えることになる「シーガルズ」の2024-25シーズンについては、英国の日刊紙『The Guardian』が展望を行なっており、まず昨季ブンデスリーガ2部でザンクトパウリを優勝に導いた青年監督を「イタリア人監督の後任としては賢明な選択のようだ」と評価。ブライトンCEOのポール・バーバーが「謙虚で、賢く、コミュニケーション能力に優れている」と称賛したアメリカ生まれのミュンヘン育ち、スイス国籍も有するヒュルツェラー監督は、ポゼッションを重視した攻撃的な3-4-3を好むという。
「一昨シーズンの6位は無理だとしても、前任者の下での進歩を基に、才能豊かなチームを編成し、上位を目指すこと」が任務だと語る指揮官に率いられるブライトンは、昨季と違って欧州サッカーに対応する必要がないため、同メディアは「物事はより容易に進むはずであり、ブライトンのファンも8年連続のプレミアリーグでのシーズンが、またしても記憶に残るものになると静かに自信を持っているだろう」と、ポジティブな展望を示している。 選手個々については、「オスマンとミンテは、すでにシモン・アディングラとジョアン・ペドロがいるチームにおいて、さらなる戦力の上積みとなりそうだ」「2500万ポンド(約47億円)で獲得したオランダ代表のヴィーファーは、新進気鋭のスター、カルロス・バレバをサポートすることが期待される」と新加入選手の有用性を示した。
そして現有戦力として、このチームで3シーズン目を迎える三笘薫に対しては、「昨季の最後の3か月を背中の負傷で欠場した日本代表FWの復帰は、チームが成功を収める上で極めて重要なものとなるだろう」と綴り、またチームにおける「トップクラス」の選手としてその名が挙げられ、その「際立ったスター性」を強調している。
ブライトンは今オフ、日本遠征で鹿島アントラーズ(5-1)、東京ヴェルディ(4-2)と対戦した後、8月3日にはQPR(1-0)ともプレシーズンマッチを行ない、三笘はいずれの試合でもスタメン出場。QPR戦での62分間のプレーについては、ブライトンの地元メディア『Sussex World』から「幾度も危険なランを見せ、シュートも1本放ったが、これは簡単にセーブされた。それ以外は静かだったが、彼が再びプレーしているのを見るのは本当に素晴らしい」と評され、10点満点の採点で及第点の「6」を与えられた。
データ専門メディア『Squawka』は、ブライトンのプレビュー記事において、三笘を「プレーメーカー」のキーマンに選定。前述の通り、昨季に103回のチャンス創出と10アシスト(リーグ3位)を記録したグロスという最も強力な想像力の持ち主を失ったことで、別の解決策を探す必要があるが、同メディアは「怪我に悩まされた昨季、リーグ戦には19回しか出場しなかった三笘だが、それでも4アシストを記録し、ブライトンでは2番目に優れたクリエイターだった」と、このドリブラーの可能性を強調している。
ヒュルツェラー監督からは「まだ完全なフィットネスではないが、新シーズンに向けて調子を取り戻してほしい」と期待を寄せられている三笘が、昨季の悔しさを晴らすとともに、再び誰も止めることができないドリブルで世界最高峰リーグに旋風を巻き起こすことができるか、要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
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