「人生100年時代のヘルスリテラシー白書」公開 デジタルツールの活用が都市圏で拡大

 ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社メディカル カンパニーは、「人生100年時代 × デジタル社会の総合的なヘルスリテラシー国際調査」を6か国で実施し、2023年12月に発表。

 今回この“日本版の調査結果”が発表され、都道府県別に分析した「人生100年時代のヘルスリテラシー白書」が、7月30日に公開されました。

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 ジョンソン・エンド・ジョンソンはより多くの人がヘルスリテラシーを身につけ、主体的に医療・健康に関われるようになることを目的に、「My Health, Myself ― 私の健康のために、私ができること。」プロジェクトを2023年にスタート。

 プロジェクトの一環として、主体的に医療・健康に関わり、行動する「力」がどれほど備わっているかを明らかにすべく実施されたのが、「人生100年時代 × デジタル社会の総合的なヘルスリテラシー国際調査」です。この調査は、日本・アメリカ・イギリス・オーストラリア・中国・フィンランドの6か国で20代~60代を対象に行われました。

■ 「自分は健康だと思う」と回答した人は半数以下

 日本では全国の20代~60代の男女1万1750人(以下、生活者)を対象に実施され、47都道府県全体でのヘルスリテラシー自己評価は、10点満点中で平均5.0点。

 性年代別で見ると、男性は30代・40代が、女性は20代・30代が平均を下回り、特に女性は年齢が低いほど自己評価が低くなる傾向が見られました。

 都道府県別で点数の高かったのは大阪府(5.5点)、東京都(5.4点)で、低かったのは島根県・岩手県(ともに4.8点)という結果に。

 「自分は健康だと思う」と回答した人は半数以下の43.6%。性年代別で見ると、「健康だと思う」割合が低いのは男女ともに40代で、割合が高いのは男性が20代、女性は60代でした。



 都道府県別で「健康だと思う」人の割合が高かったのは、東京都(53.2%)、香川県(51.6%)、大阪府(50.4%)でいずれも5割を超え。残りの道府県は5 割を下回っています。

 自身の体調や健康を管理するための「健康情報」の収集とその判断に対して自己評価をしてもらったところ、「情報収集ができる」と回答した割合は全体の68.7%。



 集めた健康情報が「正しい情報だと判断できる」と回答した人の割合は52.6%で、「情報判断力」が「情報収集力」を16.1ポイント下回っています。

 性年代別で見ると、女性20代~40代はいずれも「情報収集力」に対し「情報判断力」への自己評価が20ポイント以上も下回りました。

 都道府県別では、情報収集への自己評価が高かったのは大阪府と宮崎県(ともに74.0%)。情報判断への自己評価が高いのは東京都(60.4%)で、47都道府県の中で唯一の6割台。2位の宮城県(56.4%)に4 ポイント差をつけています。

 「原因がはっきりしない不調を感じた時にどのような行動をとりますか?」という問いに対して、「様子を見る」と回答した人の割合は61.9%。「医療機関を受診する」と回答した人は約3人に1人(34.1%)にとどまりました。



 特に女性はいずれの年代も男性より「様子を見る」と回答した割合が高くなっています。都道府県別では、「様子を見る」と回答した人の割合が高かったのは秋田県(67.2%)、「医療機関を受診する」と回答した人の割合が高かったのは奈良県(40.0%)。

 さらに4割以上の生活者(43.3%)は、日常生活で慢性的な痛みや苦痛を感じても「できるだけ我慢する」と回答。全ての年代で、男性よりも女性の方が「我慢する」と回答した割合が高くなっています。特に女性30代(48.9%)と女性50代(47.7%)はほぼ半数の人が「できるだけ我慢する」と回答。



 都道府県別では青森県が「できるだけ我慢する」と回答した人が多く、52.0%と唯一の半数超え。一方「できるだけ我慢する」と回答した人が少なかったのは、北海道の36.0%でした。

■ 3割以上の人がデジタルツールを「使っている」

 近年、健康状態を把握・管理するため活用されているデジタルツール。スマートウォッチやスマートフォンの健康管理アプリなどを使って健康状態を把握しているか聞いたところ、3割以上(31.1%)の人が「使っている」と回答。



 性年代別で見ると、男女ともに20代で最も使用率が高くなっているものの、男性は次いで男性60代(34.6%)が多く、女性20代とほぼ変わらない割合となっています。

 都道府県別では、福岡県(40.4%)、東京都(40.0%)、大阪府(38.4%)の順に多く、大都市圏で利用の広がりが見られました。

 最後は医療関係者とのコミュニケーションについて。「受診の際に医療関係者(医師、看護師、薬剤師など)と対話ができるか」という問いに、「できる」と回答した割合は約3割(33.9%)。



 性年代別で見ると、男女ともに60代が「できる」と回答した割合が高く、女性60代は 55.0%。年齢を重ねるほど「できる」と回答した人の割合が高くなる傾向が見られました。都道府県別では、東京都(40.4%)が最も高く、青森県(28.4%)が最も低くなっています。

 さらに治療法を検討する際の主体的関与に対する意識を聞いたところ、「主体的に関与できる」と回答した人は約6割(60.7%)。



 性年代別で見ると、各年代において男性よりも女性の方が「主体的に関与できる」と回答した割合が高く、男性の20代を除いて男女共に年齢を重ねるほど高くなる傾向に。

 都道府県別では奈良県(68.4%)、京都府(68.0%)で「できる」と回答した人の割合が高く、島根県(54.0%)、鳥取県と愛媛県(ともに54.4%)で低い結果となりました。

 今回の調査結果では、性別や年代、居住自治体によって、医療・健康に関する「情報の収集・判断」、「行動」、「デジタル活用」、「コミュニケーション」の実態や意識に違いがみられています。

 特に健康管理のデジタルツールについては、現在「活用している」と回答した人の割合が男女20代・男性60代で平均以上。都道府県別では福岡県、東京都、大阪府で活用が広がっており、女性30代~60代では活用への高い期待が感じられました。

情報提供:ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニー(「My Health, Myself ― 私の健康のために、私ができること。」プロジェクト

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024080902.html