「スポーツマンシップはどこにある?」ドイツ紙が仏ファンの観戦マナーに苦言「高揚感のあまり、他国の選手を…」【パリ五輪】

 2大会ぶりに有観客となったパリ五輪で、地元フランスの選手やチームに大声援を送る開催国のファンの姿が話題となっている。

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 そんななかドイツの日刊紙『Die Tageszeitung』は、熱狂的なフランスのファンに向けて、「スポーツマンシップはどこにあるのか?」と苦言を呈した。

「地元の観客は、自国選手団の成功に対する高揚感のあまり、他国の選手の存在を忘れてしまうことが多い」として、次のような事例を挙げた。

 それは、現地8月5日に行なわれた3×3バスケットボールの男女決勝の会場での出来事だった。

 22時から女子決勝のドイツ対スペインが行なわれ、17ー16で勝利したドイツが初の金メダルを獲得。ドイツ選手団が喜びを分かち合っている際、それまで静かに観戦していた観客が、突然「アレ・レ・ブルー!」とフランスの応援チャントを歌い出した。22時30分から男子決勝のフランス対オランダが予定されていたからだ。

「フランスのファンは、初めてチャンピオンになったドイツの選手たちを無視するのか? その態度はあからさまだった」
 
 男子決勝では延長の末、フランスがオランダに17ー18で敗戦。ファンが応援するチームは銀メダルに終わった。しかし、ファンは表彰式で他国の選手団の存在を“無視”。表彰式でフランスチームが銀メダルを授与される際、ファンが即興でフランス国歌を大合唱したのだ。

「自国のチームが、表彰台の中央に立つことができなかった。それでもファンは表彰式でフランス国歌を歌っていた。面白いと思ったのだろう。ただ、それは本当に面白いのか? 高揚感のあまり、スポーツマンシップがどこかに飛んで行ってしまったのではないか?」

 表彰式での大合唱は、熱狂的なファンによる自国開催ならではのアドバンテージとも言えるが、他国の視点で見れば、反スポーツマンシップに映ったようだ。同メディアは、フランスファンの反応を大会が終わるまで注視していくという。

構成●THE DIGEST編集部

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