大会第3日の第1試合、今大会最注目野手と言ってもいい花咲徳栄の石塚裕惺(3年・遊撃手)が登場。チームは新潟産大付に1対2で逆転負けを喫し、早々に甲子園を去ることとなったが、ドラフト1位候補にふさわしいだけのパフォーマンスを見せた。
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圧巻だったのが2回の第1打席だ。カウント2-2からの6球目、外角寄りのストレートを捉えてレフト前ヒットとしたが、打球の速さは間違いなく今大会最速と呼べるものだった。その前のスライダーを少し引っ掛けて三塁線へのファウルとしたが、その後の速いボールもまったく苦にすることなくジャストミートすることができていた。
そして、この回の石塚の見せ場はこれだけではなかった。続く打者の4球目には完璧なスタートで盗塁を決めると、浅いセンターフライでタッチアップして三塁へ進塁。さらに犠牲フライで本塁へ生還してみせたのだ。大学生か社会人に見えるほどたくましい体格だが、脚力も十分高いレベルにあり、スピードの落ちないスライディングの技術も見事だった。
ショートの守備でも4度ゴロをさばく機会があったが、落ち着いて処理しており、フットワークの良さとスローイングの強さも目立った。
結局、ヒットは第1打席の1本だけだった、凡退した打席も常にタイミングを合わせて自分のスウィングができており、一歩間違えば長打という雰囲気が感じられた。これだけ高いレベルで打撃、走塁、守備が揃ったショートは貴重であり、ドラフトで人気銘柄になることは間違いないだろう。
同じ花咲徳栄では、エースの上原堆我(3年・投手)も負け投手となったものの9回を2失点完投と粘り強い投球を見せた。ストレートの最速は147キロをマーク。変化球やコントロールにはまだ課題が残るものの、好素材であることは間違いない。高校からのプロ入りはなかったとしても、今後が楽しみな投手だ。
構成●THE DIGEST編集部
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