ジャンプ作品に登場する敵キャラが、主人公たちに倒されて末路を迎えると、スッキリするものです。ただその末路の迎え方によっては、同情してしまうような場面もあります。本記事では思わず同情したくなる末路を迎えた3人の敵キャラを見ていきます。
戸愚呂兄がジャケットに描かれた「幽☆遊☆白書 25th Anniversary Blu-ray BOX 暗黒武術会編」(バンダイナムコアーツ)
【画像】え、超かっこいい! これが実写版『幽白』戸愚呂チームのビジュアルです(5枚)
いくら悪いヤツでも、さすがに同情してしまう?
集英社「週刊少年ジャンプ」の人気作品の魅力のひとつに、敵キャラクターの存在があります。悪逆非道の末、主人公たちに倒されるシーンではスカッとした気持ちになるものですが、なかには敵とはいえ同情してしまう最期を迎えた者もいます。今回は、3人の敵キャラの悲惨な最期を見ていきます。
1990年より連載された『幽☆遊☆白書』(作:冨樫義博)に登場する「戸愚呂兄」は、コミックス6巻「桑原の春!!」で初めて登場しました。元々は人間だった妖怪で、見た目は人間のようですが、爪や指を伸ばして攻撃し、身体を自由に変形することもできます。彼の最大の特徴は、不死身ともいえる驚異的な再生能力と、相手の身体を食べて取り込み、その能力まで手に入れる点です。
戸愚呂兄の最期は、主人公の「浦飯幽助」の仲間である「蔵馬」によってもたらされました。蔵馬が持っていた魔界植物「邪念樹」に取り込まれ、戸愚呂兄は寄生されてしまいます。邪念樹は、寄生した相手の生命力がなくなるまで幻覚を見せ続ける植物です。戸愚呂兄は生命力が尽きることがないため、永遠に蔵馬の幻影と戦う幻想を見せ続けられるのでした。終わりのない戦いが続く、恐ろしい末路です。
戸愚呂兄と似た末路を迎えたのが、1986年に連載が開始された『ジョジョの奇妙な冒険』(作:荒木飛呂彦)に登場する「カーズ」です。カーズは人類が地球上に誕生する以前から存在していた「究極の生命体」といわれる存在です。最終的にカーズは弱点であった「太陽」を克服し、受けた傷はすぐに修復でき、さまざまな生物の能力を操れます。
火山の火口に落とされても倒されなかったカーズですが、強烈な火山噴火によって、宇宙空間へと飛ばされてしまいました。宇宙空間でも死ぬことのないカーズは、鉱物と生物の中間の生命体となって永遠にさまようという結末を迎えました。暗闇のなかで永遠に続く旅を想像すると、心が壊れてしまいそうになります。
1979年に連載が開始された『キン肉マン』(作:ゆでたまご)にも、同情してしまう末路をたどった敵キャラがいます。「黄金のマスク編」から登場した「アシュラマン」は、「悪魔六騎士」のひとりとして、キン肉マンたち正義超人と戦った超人です。キン肉マンとの対戦では、「キン肉バスター」を破るといった見せ場を作りますが、勝利するには至りませんでした。
この試合のあと、負けたアシュラマンに対して怒った悪魔超人の首領「悪魔将軍」は、「死んでわたしの力となるのだ!!」といい、剣を地面に突き刺します。その言葉を受けたアシュラマンはその剣で自らの首をはね、「悪魔将軍バンザイ!!」といいながら、悪魔将軍に吸収されてしまいます。ただでさえキン肉マンに敗北し、血だらけだったアシュラマンの首がはねられるシーンを見て、トラウマになってしまった人もいるのではないでしょうか。