日本男子卓球、メダルならず…開催国フランスに0対2→土壇場で振り出しに戻す猛反撃も、最後に力尽きる【パリ五輪】

 3大会連続の団体メダルを逃した。

 現地8月9日、パリ五輪は卓球男子団体の3位決定戦が行なわれ、世界ランク4位の日本(張本智和、戸上隼輔、篠塚大登)は同3位のフランスと対戦。圧倒的な大歓声を味方につけた開催国とフルゲームの末、2-3で競り負けた。3時間を超える死闘も銅メダルは叶わず、日本男子の今大会メダルはゼロ。無念の想いでパリでの闘いを終えた。

 オリンピックの団体戦は1チーム3人で戦い、シングルス4試合とダブルス1試合の計5試合を行なう。3戦先勝で3人のうち1人がシングルス2試合に、残りの2人がダブルスとシングルス1試合ずつに出場。各試合3ゲーム先取の5ゲーム制で実施される。

 第1試合のダブルスは戸上/篠塚が登場。完全アウェーの雰囲気にのまれたのか、序盤は返球が浮き消極的な姿勢が目立った。ラリーで後手に回り5-11、7-11と2ゲーム連取される。第3ゲームはチキータを多用して立て直し、11-5で奪い返したが、第4ゲームは突き放され6-11で落とした。

 第2試合は、張本とフェリックス・ルブランの「エース対決」となった。今大会シングルスで銅メダルを獲得した強敵に第1ゲームは接戦の末に13-11と逆転してもぎ取ると、張本は力強いガッツポーズで雄叫びを上げた。だが第2ゲームは、ルブランが反撃して4-11で落とす。互いに1ゲームずつ奪い返し、勝負は最終ゲームまでもつれる大熱戦に。張本が強気に攻め、先にマッチポイントを握る。ところがルブランが驚異の底力を発揮し、なんと4連続ポイントを奪って大逆転。張本は勝利目前でまさかの敗北を喫し、日本は0対2。追い詰められた。

 崖っぷちの第3試合、日本は戸上が望みをつなげる。アレクシ・ルブランを相手に一進一退の攻防で11-8、11-9と連取する。第3ゲームはルブランが地力を発揮して奪われるが、第4ゲームは激しいラリー戦を魂の込もった強打を連発。戸上が強敵相手に11-9で勝ち切り、ベンチに向かって吠えた。日本が反撃の1勝を挙げ、流れを手繰り寄せる。
  勝負の第4試合は、再び張本が登場した。気合を入れ直したエースと対峙したのは、技巧派のシモン・ゴズィー。張本は第1ゲームを11-8と先取したが、第2ゲームはゴズィーのロングサーブに苦戦して対応できず4連続ポイントを献上。8-11で落とし、タイに戻された。第3ゲームは相手のカットに対応が遅れて一時リードを許したが、張本は強いバックやチキータを駆使して押し切り、11-8で競り勝ち。第4ゲームも互いの気迫がぶつかる熱戦でデュースに。ゴズィーに2度もマッチポイントを握られるも、張本が意地を見せて14-12で勝ち切り雄叫び。日本のエースが土壇場で2対2のタイに戻し、メダルの命運を篠塚に託した。

 すべてが決着する運命の最終試合。篠塚の相手は張本を大逆転で下したF・ルブラン。序盤は篠塚のペースだったが、F・ルブランの反撃に遭い7-11で落とした。第2ゲームもF・ルブランの鋭いドライブとサーブが随所で篠塚を上回り、7-11で奪われる。後がなくなった状況の第3ゲーム、篠塚はデュースまで粘りF・ルブランの強打に何度も崩される場面はあったが14-12で逆転した。負けられない第4ゲームは互いが1点を取り合う痺れる展開が続き9-9も、フランスが先にマッチポイント。篠塚は最後まで粘ったが寸前のところで屈し、日本はあと一歩及ばず敗れた。

構成●THE DIGEST編集部

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