連日、各代表選手が白熱した戦いをみせるパリ五輪のなかでも、日本の「お家芸」といわれる柔道には多くの注目が集まっています。マグミクスでは「覚えてる? 柔道マンガ『YAWARA!』の結末 アニメ版とは『恋の行方』が違っていた」と題した記事を配信したところ、多くのファンから『YAWARA!』に対する反響が寄せられました。
世に女子柔道ブームを巻き起こした大ヒット作『YAWARA!』第1巻(著:浦沢直樹/小学館)
【画像】え、ナニコレ感… こちらが「実写系」で描かれた『YAWARA!』のマンガ表紙です(3枚)
当時をリアルに描いた作品に称賛の声続く
パリ五輪で柔道競技への注目が高まるなか、マグミクスでは「覚えてる? 柔道マンガ『YAWARA!』の結末 アニメ版とは『恋の行方』が違っていた」と題した記事を配信しました。記事に対して、当時、アニメやマンガで同作を楽しんでいたファンから、多くの反響の声が寄せられています。
特に多かったのは「この作品で柔道のルールや魅力を知った」という声でした。女子柔道ブームの火付け役ともいわれている『YAWARA!』(作:浦沢直樹)は、バルセロナ五輪などを舞台に、主人公「猪熊柔(いのくま やわら)」の活躍が描かれています。ひったくり犯を巴投げした女子高生である柔を、スポーツ新聞の記者「松田耕作」がとらえたことから、物語が動き始めます。
現在開催中のパリ五輪と『YAWARA!』が連載された当時を比べると、柔道のルールやトレンドが時代とともに大きく変化し、ギャップが生まれています。例えば、柔が出場していた「無差別級」は、1988年のソウル五輪から廃止されています。さらに、当時の判定には「効果」、「有効」、「技あり」、「一本」の4段階がありましたが、2009年と2016年のルール改正でそれぞれ「効果」と「有効」が廃止され、パリ五輪でも現行ルールが適用されています。
また、本作で柔が巌流寺高校との団体戦の練習試合に参加した際、副将の厳しい攻撃を場外まで逃げて回避します。しかし、現行ルールの場合、継続性のある寝技などが場外で行われている時に「待て」がかからないこともあります。今の時代であれば、柔は負けていたかもしれません。ほかにも、本作にはカラーの道着が導入されていないなど、現在の柔道との違いが多数ありました。
本作が描く柔道に魅了されたというコメントがある一方で、一部の読者からは「当時の国際情勢が巧みに取り入れられ、ストーリーに影響を与えている部分が秀逸だった」といった声があがっていました。
確かに、作中ではソビエト連邦が崩壊してロシアになり、柔道選手の「アンナ・テレシコワ」が国家的な支援を得られず、苦悩する姿が描かれました。また、1990年に起きたユーゴスラビア紛争も作中に盛り込まれ、現実社会での出来事が少なからず登場人物に作用した結果、より作品に感情移入した人も多かったようです。
ひとりの女の子の柔道人生を描いた『YAWARA!』は多くの人の心に残り、今も愛されているということが分かりました。柔道の昔と今の違いを楽しみながら、『YAWARA!』を読み返してみてはいかがでしょうか。