これぞスペイン! 王者が決勝で見せた美しいパスサッカー。大岩ジャパンの準々決勝を思い出して悔しさが...【パリ五輪】

 U-23スペイン代表は現地8月9日、パリ五輪の決勝でU-23フランス代表とパルク・デ・プランスで対戦。延長にもつれ込む死闘を5-3で制し、1992年バルセロナ五輪以来となる8大会ぶりの金メダルを獲得した。

 ファイナルはお互いに何度も相手ゴールに迫る見ごたえのある一戦となった。スペインは11分に先制点を献上も、その7分後に左サイドでのテンポの良い崩しから、バエナの折り返しに反応したフェルミンが右足で流しこみ、同点に追いつく。

 すると勢いに乗り、25分に再びフェルミン、28分にバエナと立て続けに得点し、2点にリードを広げる。諦めないフランスに2ゴールを決められて振り出しに戻るも、3-3で突入した延長戦で100分と120+1分にカメージョが2点を追加して、勝負が決まった。

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、フランスの選手たちはピッチに倒れ込んだ一方、頂点に立ったスペインはベンチの選手、スタッフもピッチに飛び出し、喜びを爆発させた。
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 この熱い戦いで圧巻だったのは、スペインのパスワークだ。最終ラインから一本の縦パスが入ると、それを合図に中盤、2列目の選手が流動的に動き出し、ワンタッチで局面を打開していく。

 最前線のラカゼットも下りてきて組み立てに参加し、ボランチのバエナとバリオスらがサイドへ展開。抜け出したサイドアタッカーが折り返し、それにFWが合わせる。

 スペインは立ち上がりから相手に押し込まれる展開となったが、ワンタッチパスでフィニッシュまで持ち込み、少ない決定機をしっかりとモノにした。“これぞスペイン”だと感じる連動したパス回しは、思わず見惚れてしまうほど美しかった。

 ちなみに大岩ジャパンは、準々決勝でスペインと対戦。0―3で敗れたが、主導権を握る時間もあり、スペインにあまりやりたいパスサッカーをやらせず、苦しめていた印象。それを思い出してしまい、再び悔しさが込み上げてきた。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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