現地時間8月10日、パリ五輪の女子サッカー決勝がパルク・デ・プランスで開催された。対戦カードは、アメリカ対ブラジル。今大会、なでしこジャパンが戦った両チームの戦いだけに興味深い一戦だった。
アメリカの持ち味を消しに行ったなでしこジャパンとは対照的に、ブラジルは立ち上がりからエンジン全開。ルドミラを軸にアメリカの最終ラインの裏を狙い、シュートまで持ち込んだ。
そんなブラジルの攻撃を最後尾で防いだのが、アメリカのGKネアーだ。絶妙のポジショニングと優れたセービングでチームに極上の安定感をもたらした。
GKネアーを中心としたアメリカの守備の時間の経過とともに安定していった。今大会のアメリカの強みは組織的な守備だろう。実際、準決勝までの失点はわずかに2。アメリカの強さを語るうえで、この堅守は見逃せない。
ブラジル戦の後半、アメリカはその強みを存分に発揮した。前半にブラジルの猛攻を受けていたのが嘘だったかのように、整備された守備網はまさに鉄壁。ブラジルを誘い込むのような守備網を敷いただけでなく、奪ったボールをカウンターに繋げるサッカーで主導権を握ったのだ。
この戦い方が見事にハマり、57分にはアルバートのスルーパスに抜け出したスワンソンのシュートで先制した。
後半途中からスタミナが落ちてきたブラジルとは対照的に、パフォーマンス的にほとんど乱れがなかったアメリカ。終わってみれば、今大会は6戦全勝とパーフェクトな結果で金メダルを手にした。
そのアメリカに善戦したなでしこジャパンだが、決勝の戦いを見る限り個の部分で見劣りする。金メダルへの道のりはかなり険しい。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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