昭和・平成でステータスだった「漢検」の現在地…日本漢字能力検定協会が「活字離れ」以上に危惧する「日本人の能力」とは?

「今年の漢字」などを経て漢字の有用性をアピール

現在の日本漢字能力検定協会では、多様な受検機会を提供するため、試験会場だけでなくテストセンターのパソコンで受検できるようにしたり、自宅で受検できる「漢検オンライン」のサービス開始をしたりと、時代に寄り添った工夫をしている。

そのほか、もっと漢字に興味を持ってもらえるように「漢字ミュージアム」を京都に開設。また、毎年一年の終わりに京都の清水寺で発表される「今年の漢字」も、実は日本漢字能力検定協会が主催している。

「日本語の語彙力、読解力には漢字が大きく関わり、学生だけではなく大人になってからも必要な能力なので、学習のステータスというだけでなく、その機能的な有用性も含めて考えてみてほしいです」と佐藤さんは語ってくれた。

昔から変わらずに学習能力の指標となっている漢検。スマホやパソコンで簡単に文字を打てる時代になった今だからこそ、挑戦する意義があるのかもしれない。

取材・文/織田繭