小柄な日本人クライマーに世界中から同情の声が集まっている。
パリ五輪のスポーツクライミングは現地8月10日、女子複合の決勝が行なわれ、日本の森秋彩が4位に食い込んだ。しかし、森は後半のリードで全体1位の得点を挙げた一方で、前半のボルダーでは4つの課題のうち完登が1つだけ、スコアを挙げられなかった課題もあり、五輪視聴者からルート設定に疑問の声が数多く上がっている。
【画像】17歳の現役高校生が日本男子初の快挙!パリ五輪スポーツクライミングで銀メダルを獲得した安楽宙斗を特集! 前半のボルダーでは第1課題から“壁”にぶち当たった。身長154センチと小柄な森にとっては、スタートホールドさえ掴むのも困難な設定となっており、5点ゾーンにさえ進むこともままならないまま制限時間を迎え痛恨の0点。第3課題を完登したものの、結局前半のボルダーは39.0点の7位に終わり、トップの女王ヤンヤ・ガンブレットとは45.4ポイントもの大差をつけられてしまった。
森は後半のリードで巻き返し、唯一トップホールドに手をかけ、完登目前の96.1ポイント。だが、ボルダーでの低スコアが響き、合計135.1ポイントの4位に終わった。森にとってボルダーの厳しいルート設定は準決勝でもみられた傾向だが、この結果に日本のSNS上では「森秋彩ちゃん潰しとしか思えん」「これは素人ながら疑問に感じてしまった」「ボルダーの課題はほんとにいやらしい白人仕様な課題だと感じたなぁ」と多くの疑問の声が上がり、中には柔道やバスケットボールなど他競技での不可解な判定も重ね合わせ、「またフランスやったな…」などという声も寄せられた。
疑問の声は国内からだけではない。ボルダーのルート設定には海外ファンも不可解さを感じており、「アイ・モリはオリンピックでルートセッターに完全に騙された。彼らは彼女が登り始めることすらできないルートを作った」「なんてこった、このルートセッターは最悪だ」「最も才能のある選手の一人を身長だけで排除するのは、まったくひどいことだ」といった声は数多く上がっている。
英メディア『Dailymail Online』もこの問題を取り上げ、「日本のクライミング界のスター、アイ・モリのオリンピック金メダル獲得への挑戦は、決勝でスタートホールドをつかむことができず、最悪のスタートとなった。視聴者は、モリが主催者から『いじめ』や『差別』を受けたと主張した」と指摘。X上の反応を示しながら、森の苦闘ぶりを伝えている。
リードでは圧巻のパフォーマンスをみせ、一時は暫定トップにも立った。それだけに、ボルダーでの著しい不利は世界中で大きな反響を呼んだようだ。
構成●THE DIGEST編集部
【画像】リードでは完登目前! 森秋彩が最高スコアを挙げたパフォーマンスをチェック
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