ドイツのシュルーダーが欧州でプレーする選手たちに尊敬の念「ゲームを熟知したIQの高い選手が揃っている」<DUNKSHOOT>

 現地時間8月10日、パリ五輪男子バスケットボールの3位決定戦でドイツはセルビアに83-93で敗れ、4位で大会を終えた。

 昨年のFIBAワールドカップ決勝のリマッチとなったこの一戦。セルビアはニコラ・ヨキッチが19得点、12リバウンド、11アシストのトリプルダブル、ヴァシリエ・ミチッチが19得点、ボグダン・ボグダノビッチが16得点、3アシスト、アレクサ・アブラモビッチが13得点、5リバウンド、4アシスト、4スティールをマークした。

 一方のドイツはフランツ・ヴァグナーが18得点、9リバウンド、4アシスト、3スティール、モリッツ・ヴァグナーが16得点、4リバウンド、デニス・シュルーダーが13得点、4リバウンド、6アシストを残したが、開始から一度もリードを奪うことができず、メダルには手が届かなかった。

 この試合後に行なわれた決勝では、アメリカが開催国フランスを98-87で下して五輪5連覇を達成。大会MVPには金メダルを勝ち獲ったレブロン・ジェームズが選ばれた。

 オールスター5(大会ベスト5)にはアメリカのレブロンとステフィン・カリー、フランスのヴィクター・ウェンバンヤマ、セルビアのヨキッチ、ドイツのシュルーダーが選出。オール2ndチームにはフランスのガーション・ヤブセレ、セルビアのボグダノビッチ、ドイツのF・ヴァグナー、カナダのシェイ・ギルジャス・アレキサンダー、ギリシャのヤニス・アデトクンボが名を連ねた。
  シュルーダーはセルビア戦後、アメリカが歴代最高級のスーパースター軍団を送り込みながら苦しんだことについて「ヨーロッパのバスケットボールを僕ももっと注意して見ていかないといけない」と切り出し、次のように続けた。

「ヨーロッパのバスケットボールにエンターテインメント性はなく、バスケットボールIQが徹底されている。コーチングについてもそう。ゲームを熟知したIQの高い選手たちが揃っている。セルビア、ギリシャ、スペイン、フランス、それにドイツもね。こういうチームはいずれもバスケットボールを熟知していて、かつ身体能力が高いんだ」

 ドイツはフランスとの準決勝でヤブセレに17得点、7リバウンド、イザイア・コーディニエに16得点、7リバウンド、2スティールと、ヨーロッパでプレーする選手に活躍を許して敗れただけに、シュルーダーは彼らへのリスペクトも込めて発したのかもしれない。

 さらに、30歳のベテランガードはこうも話していた。

「ヨーロッパ出身選手の多くがNBAでも注目を浴びている。スロベニアのルカ・ドンチッチは世界で見てもベストプレーヤーの1人。もちろん、NBAこそが世界でベストなリーグだけど、ヨーロッパの選手たちが迫ってきているのは確かだね」

 2028年のロサンゼルス・オリンピックで、アメリカの6連覇を阻止する国は現れるのか。その候補筆頭がヨーロッパのチームであることは間違いないだけに、今後の動向に注目していきたい。

文●秋山裕之(フリーライター)

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