全国各地で実施された予選を勝ち抜いた小学生プレーヤーが頂点を目指す大会「第42回第一生命全国小学生テニス選手権大会」(8月7日~8日/武蔵野ローンテニスクラブ、9日~11日/ 第一生命相娯園テニスコート/クレーコート)は、大会最終日となる11日に男女シングルス決勝と3位決定戦を実施した。
女子決勝は、第2シードの岩佐綾香 (東京・立教女学院小⑥)が7-5、6-3で第1シードの奥山し渚 (山形・第七小⑥)を破って優勝を飾った。
「去年はベスト8だったので今年は優勝を目標にして取り組んできたのですごくうれしいです」と喜び語る岩佐。決勝の相手である奥山とはともに海外遠征に出かける間柄で、公式戦やマッチ練習をふくめると奥山のほうが戦績ではリードしているという。
とはいえ「やりにくさはありませんでした」と岩佐。序盤から軽快なフットワークでコートを広範囲にカバーし、広角なストロークやドロップショットなど多彩な展開でポイントを重ね、第1セットは一時5-2までリードを広げる。
だが「このままセットを取りたい」という気持ちが強くなったことでプレーに硬さが生まれ、そこから奥山に3ゲームを取り返される。流れが変わりかけた5-5で迎えた第11ゲーム、岩佐は「取られてもいいから自分から行こう」と気持ちを切り替える。するとプレーから余分な力みがなくなりブレークに成功。続く第12ゲームをラブゲームでサービスをキープして第1セットを7-5で取り切った。
迎えた第2セットも4-1としたところで奥山の猛追を受けて4-3となるが、「ファースト(セット)は少し引いたことで相手のいいプレーを出させてしまったので、今度は引かずに自分からしっかりと振っていこうと足を動かしました」と岩佐は冷静に対応。離れかけた流れを再び引き戻し、最後は奥山のサービスをブレークして6-3で悲願のタイトルを手にした。
「少し硬くなって強気なプレーができない部分もありましたが、自分らしくしっかりと振っていこうとプレーしたことが良かったです」と試合を振り返す岩佐。次なる戦いの場「全日本ジュニア」(8月26日~9月6日/東京・有明テニスの森公園)に向けては「今日のように楽しみながらプレーをして優勝できたらと思います」と意気込む。
一方、準優勝に終わった奥山は「第1シードということで『優勝しなければ』という思いが強くなり自分のテニスがうまくできずミスも多くなってしまいました」と悔やんだが、次なる全日本ジュニアに向けては「サーフェスもクレーからハードコートに変わるので、ハードコートは得意だからそこで自分らしい早い展開で決め切れるようなテニスがしたいです」と最後は前を向いた。
なお、決勝と同時進行で実施された3位決定戦は、第4シードの齋藤日和(東京・飛田給小⑥ と第10シードの宮本珠莉愛 (東京・金曽木小⑥)が対戦。スコア、6-3、7-5のストレートで齋藤が勝利した。
※学校名の後の丸数字は学年
取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)
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