スペインがEURO制覇&五輪金メダル! サッカー界の一国支配状況はいかにして生まれたのか? 海外メディアが独自分析!「あらゆる大会で完全無欠だ」

 パリ・オリンピックの男子サッカーは、スペイン代表が決勝で地元フランス代表を延長戦の末に5-3で下し、自国開催だった1992年バルセロナ大会以来となる金メダル獲得を果たしている。

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 準々決勝で日本に3-0の大勝を収めたのを含め、ノックアウトステージの3試合で10得点(大会を通しては6試合で16得点)という抜群の攻撃力を発揮した「ラ・ロハ」。決勝では開催国相手に後半アディショナルタイムに追いつかれたものの、延長戦で2ゴールを奪って勝利を奪うという強靭な精神力と勝負強さを見せつけた。
  スペインといえば、今夏にドイツで開催されたEURO2024でも、歴代ワールドカップ優勝国や前回王者(イタリア)、開催国を次々に下して最多4回目の欧州制覇を達成。同年に2つのビッグイベントを制したのは、ウルグアイ(1924年に自国開催のコパ・アメリカとパリ五輪)、フランス(1984年に自国開催のEUROとロサンゼルス五輪)に次いで3度目の偉業である。

 女子サッカーも現役の世界王者(昨年の女子ワールドカップ優勝)で、クラブレベルでも2023-24シーズンのチャンピオンズ・リーグをレアル・マドリーが制するなど、まさに今年は「スペインの年」となっているが、スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「スペインの支配力は、年代、性別、あらゆるトーナメントにおいて完全無欠であり、他国はこれがいつまで続くのかと思い悩んでいる」と、サッカー界の一国支配状況を強調する。

 U-19の欧州選手権でも男女ともに優勝を飾るなど、シニアレベルでの成功に止まっていないのは「衝撃的」だとする同メディアは、「五輪のメンバーの大部分が23歳以下の選手であることからも、いかにスペインの選手層が厚いかを再認識させられる」と綴り、さらに賛辞を続けた。

「注目すべきは、他国がオーバーエイジ枠で最高レベルの選手を揃えたのに対し、スペインはファン・ミランダ、セルヒオ・ゴメス、アベル・ルイスと、“控えめ”な人選だった。むしろ、彼らの“火力”は成長中のスター選手から生まれた。フェルミン・ロペス、アレックス・バエナというEURO2024の優勝メンバーは、五輪決勝で3つのゴールを生み出し、セルヒオ・カメージは交代出場から延長戦で優勝を決める2ゴールを決めている」

 2000年代後半から2010年代前半にかけても、無数のパスを繋ぐスタイル「ティキ・タカ」で相手を粉砕して黄金時代を謳歌したスペインが、今度は各年代でサッカー界を席巻しつつあるのは、「チーム内で共有された知識や経験が驚くほど深く、一貫した戦法を選手が十分に理解し、安心感を得られている」「選手は自分の役割を明確に理解し、その役割を確実に実行することに集中できている」からだと指摘する。

 同メディアは、敗れたフランスのティエリ・アンリ監督の去就に言及する中で、「ディディエ・デシャンA代表監督の下で働くか、他の代表チームを率いるか、あるいはそれ以外……彼がどこに行くにせよ、止む気配を見せないスペインの波をいかにして避けるかという問題に再び直面することだろう」と綴り、記事を締めている。

構成●THE DIGEST編集部
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